経済産業省は9月20日、令和5年度補正「資源自律経済確立に向けた産官学連携加速化事業委託費」(サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォームの調査・検証に関するオープンイノベーション事業)に関する委託先の公募を開始した。

廃棄物問題や気候変動問題などの環境制約と地政学リスクが高まる中、効率的で循環的な資源利用と付加価値の最大化が求められている。経済産業省は2023年3月、「成長志向型の資源自律経済戦略」を策定。資源循環に必要となる製品や素材の情報と循環実態の可視化を進めるため、2025年を目途に情報流通を促すプラットフォームの実現を目指している。

具体的には、様々な製品・素材などへのユースケースを展開でき、システムの高TPS性と情報の信頼性を担保する共通基盤の確立を目指す。情報流通プラットフォームの実現に向けて、本事業では以下の調査・検証を行う。

  • プラットフォームの仕様の標準化に関する調査
  • ブロックチェーン技術の活用に関する調査・検証

情報流通プラットフォームでは、製品や素材に関する情報を一元化し、業種横断的なデータ流通を実現することを目指している。デジタルアーキテクチャデザインセンター(DADC)が先行して構築したトレーサビリティ管理システム、「ウラノスエコシステム」との連携も考えられているという。

また、企業のノウハウにあたる製品中の化学物質情報やサプライヤー情報の秘匿性・機密性を保持しながら、流通している情報の信頼性を担保するため、ブロックチェーン技術を活用予定。ブロックチェーン技術を用いる利点と課題を整理し、同技術を活用する範囲の検討や、ガイドラインの作成を進めていく。

公募期間は9月20日から10月11日まで。第三者の有識者で構成される委員会により審査が行われ、1件の事業が採択される見通し。予算は3億6千万円を上限とし、実施期間は契約締結日から2025年2月28日まで。

経済産業省は、資源循環経済課を中心に本事業を推進している。情報流通プラットフォームの確立により、効率的な資源の活用が進み、サーキュラーエコノミーの実現に寄与することが期待される。

【プレスリリース】令和5年度補正資源自律経済確立に向けた産官学連携加速化事業委託費(サーキュラーエコノミー情報流通プラットフォームの調査・検証に関するオープンイノベーション事業)に係る委託先の公募について
【参照記事】募集要領
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