株式会社ネキストが運営する婦人服ブランド「nest Robe(以下、ネストローブ)」はこのほど、2021年春夏コレクションの順次発売を開始した。

同コレクションは、裁断くず(※1)を廃棄せずに再利用して新たな洋服を作り上げる、今回立ち上げたプロダクトライン「Upcycle Lino(以下、アップサイクルリノ)」のアイテムが中心となっている。滋賀県の伝統技法である「近江晒し」加工や、「からみ織り」という糸を複雑に絡ませながら織った通気性の高いシースルー生地を採用したアイテムのほか、「再生」を意味するユーカリ柄プリントをあしらったアイテムなども取りそろえる。これらは日本の伝統的なモノづくりを取り入れながら、環境にも配慮したラインナップであると同社はみている。

商品例は、以下のとおりだ。

アップサイクルリノ リネンコットンバルーンスリーブワンピース

近江晒しリネンジャンプスーツ

リネンユーカリプリントブラウス(3月中旬発売予定)

アップサイクルリノについて

裁断くずの廃棄は、アパレル業界がもたらす環境破壊の一つで、大量の焼却処分などは地球に負荷を与えている。そこで、裁断くずを廃棄せずに糸として再生させて生地を織り上げ、新たな洋服作りに取り組んだことで生まれた洋服が、アップサイクルリノである。

アップサイクルリノの製造工程は、以下のとおりだ。

ネストローブの洋服から発生した裁断くず(上左)を集め、色別にまとめて工場へ運ぶ(上中央・上右)
裁断くずを糸にするため、繊維になるまで細かく粉砕して綿の状態に戻し(上左・上中央)、綿状に戻した繊維にオーガニックコットンを混合し、強度を高めて糸によりをかける(上右)

アップサイクル糸ができあがる

アップサイクル糸を使い、布帛(ふはく※2)やカットソー生地を織り、新たな洋服をつくりあげる

アップサイクルの裁断くずは再度集めて糸にし(上左)、強度が足りず糸にできなかった裁断くずはハンガーに生まれ変わる(上右)

ネストローブについて

リネンや綿などの自然素材を採用し、「スローメイド」をコンセプトに展開する婦人服ブランド。着心地や素材感にこだわり、商品のほとんどを昭和25年創業の国内自社工場で製造している。これまで、土に還る天然素材を使用したり、自社工場で太陽光発電を取り入れたりするなど、環境に配慮した取り組みを実施してきたとしている。

※1 裁断くず:設計図に合わせて洋服の生地を裁断する際に余る部分のこと。全体の2-3割が裁断くずになる
※2 布帛:縦糸と横糸を交互に織り込んでつくる生地

【プレスリリース】【環境保全 × 循環型のモノづくり】自然素材ファッションブランド「nest Robe(ネストローブ)」よりアップサイクルな21ssコレクションがスタート
【参照サイト】nest Robeオフィシャルサイト

*冒頭の画像は、アップサイクルリノ 裏毛フード付きプルオーバー
*記事中の画像の出典:株式会社ネキスト