大阪府能勢町、豊能町、株式会社能勢・豊能まちづくり、株式会社E-konzal、EC SENSING株式会社、住友三井オートサービス株式会社はこのほど、リユースEV(電気自動車)を活用した運用実証を開始した。

実証では、再リース・再々リースの対象となるリユースEV車両について、公用車としての活用可能性を共同検証し、EV利用の選択肢を広げることを目指す。リユースEVは新車時と比較して電池の性能は低減するが、用途や条件によって十分に車両電源として利用できると6組織はみている。

実証実施期間は2023年4月から2024年3月までで、豊能町は7月から実証に参加する予定。実証テーマは、地方自治体における脱炭素化と循環型社会実現に向けた具体的施策としてのリユースEV導入の有効性検証および使用・要件の確立だ。検証項目は4つで、「リユースEVに関する品質・性能面、心理面での課題検証」「ガソリン車・新車EVなどとの経済性に関する比較検証」「リユースEVの維持に関するトレーサビリティ」「EV電池の劣化状態などに関するトレーサビリティ」である。

6組織の役割は、次のとおり。能勢町・豊能町は、公用車としてのリユースEVの使用実証および各種運用データの提供。能勢・豊能まちづくりは、リユースEV充放電データの収集・提供。E-konzalは、実証実験の効果検証と取りまとめ。EC SENSINGはリユースEVの電池劣化診断、住友三井オートサービスはリユースEVの提供と仕様・保守要件および利用価値最大化に関する考察である。

能勢町は人口約9000人で、2021年にゼロカーボンタウンを宣言した。エネルギー・食料・人材が循環する里山未来都市の実現に取り組んでいる。豊能町は人口約1万8000人で、住宅街と豊かな自然を有する。

同実証の公用車の使用形態がリースで、走行範囲は限定的であることから、両町が公用車としてリユースEVを使用することは循環型戦略に沿うと予想される。リユースEVの経済性やトレーサビリティ、公用車としての活用可能性などを共同検証する同実証の考察の共有が待たれる。

【プレスリリース】大阪府能勢町・豊能町におけるリユースEVを活用した運用実証について
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*冒頭の画像の出典:大阪府能勢町、豊能町、株式会社能勢・豊能まちづくり、株式会社E-konzal、EC SENSING株式会社、住友三井オートサービス株式会社