株式会社オカムラは2022年1月、「カーボンオフセットプログラム」を開始する。同プログラムにおいて同社は、オフィス製品のライフサイクルを通じてCO2排出量を正しく計算し、排出量と同等の排出権(クレジット)付きの製品を顧客に提供する。これにより、顧客は対象製品を購入することで、温室効果ガス削減に寄与できるとしている。

製品に関する同社独自の環境基準を策定しているオカムラグループは、環境に配慮した製品の拡充を図ってきたとしており、2050年カーボンニュートラル実現を目指し、従来の活動の強化と新たな取り組みを展開している。2021年、同基準を見直して製品開発における「サーキュラーデザイン」の考え方を新たに策定し、カーボンオフセットプログラムの導入を決定した。

(出典:株式会社オカムラ)

カーボンオフセットプログラムについて、同社は以下を発表した。

  • 国内自社工場生産により、CO2排出量を正確に把握・削減でき、原材料購入と顧客への製品納入における輸送を効率化できる
  • 工場での再生可能エネルギー使用により、CO2排出量の削減に積極的に取り組む
  • 製造工程でのエネルギー使用量や製品に使用する材料の種類と量の厳密な管理、および工場内の加工工程管理により、CO2排出量を正確に把握できる

(出典:株式会社オカムラ)

サーキュラーデザインの考え方の策定により、同社は製品企画・設計から調達・製造・販売・メンテナンス・再使用・リサイクルに至るまでの製品ライフサイクルにおいて、限りある資源をより長く効率的に使用し、廃棄物の発生を最小化するものづくりを目指す意向だ。すべての事業活動で環境負荷低減を目指すオカムラグループは2021年4月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明している。

東南アジアを中心に多くの販売拠点を置き、東南アジア市場向けオフィス家具の製造工場をタイに有する同社が、日本市場向けオフィス家具を国内の自社工場で生産することは、上記のとおり輸送の効率化・それに伴うCO2排出量の削減・よりよい管理・顧客の温室効果ガス削減に貢献すると予想される。地産地消による雇用創出や地域活性化にもつながり、他国の情勢による生産への影響も軽減できるだろう。同プログラムがもたらす総合的な効果に期待したい。

【プレスリリース】オカムラがオフィス製品における「カーボンオフセットプログラム」を開始
【参照サイト】株式会社オカムラ