米食品・飲料大手のペプシコは12月2日、2022年までにEU圏内9か国で販売するペプシブランドの飲料ボトルから、バージンプラスチックを完全に排除すると宣言した。

同社によると、ブランド傘下にあるすべての飲料に使用済みパッケージ(再生ポリエチレンテレフタレート 、または ‘rPET’)から再生したプラスチックを利用することで、年間70,000トンを超える未使用の化石燃料ベースのプラスチックを削減し、ボトル1本あたりの二酸化炭素排出量を約40%削減することができるという。

ペプシコは過去2年間でEUにおけるrPETの使用率を30%に倍増し、100%rPETボトルを使用した3つのブランド(トロピカーナ、ネイキッドスムージー、リプトンアイスティー)を多くのEU市場で展開してきたが、さらに2030年までに同市場でのrPETの使用率を50%にすることを目指し、ドイツ、ポーランド、ルーマニア、ギリシャ、スペインでは2021年に、そしてフランス、イギリス、ベルギー、ルクセンブルグでは2022年に100%rPETに切り替えていく。

ペプシコヨーロッパのCEO、Silviu Popovici氏は、飲料ボトルに100%再生プラスチックを利用し、未使用の化石燃料ベースのパッケージの使用を最小限に抑える取り組みをこれらの9か国から始め、他のヨーロッパ諸国にも拡大すると述べている。

「EU全体のステークホルダーと協業し、リサイクルしやすいようにパッケージを設計し、使用するパッケージの量を減らし、そして消費者がリサイクルしやすい仕組みを作っていくことが重要です。我々は、政策を作る立場の人や廃棄物管理システムと協力し、プラスチックが廃棄されないよう、より多くのボトルを回収する必要があります。 誰もがプラスチックのサーキュラーエコノミーの発展に貢献することができ、またそうするべきなのです。」

食品包装において、再利用に適した再生プラスチックを普及させるためには、包装をリサイクルしやすい状態にしておくことが重要であり、ペプシコ製品の包装にはほぼ90%がリサイクル可能、堆肥化可能、または生分解性のものが使用されている。

また、使用するパッケージの量を減らし、パッケージ自体を新しくするための取り組みとして、Pulpexコンソーシアムを通じた世界初の完全リサイクル可能な紙瓶などの新素材の開発や、2025年までに世界で消費される670億本の使い捨てペットボトルをなくすことを目指すSodaStreamなどの再利用可能なモデルへの投資も行っている。

同社はサーキュラーエコノミーの実現を加速するため社外ステークホルダーとの協業にも力を入れており、最近ではHoly Grail digital watermarks consortiumの一員として、廃棄物の分別を容易にし、より多くのリサイクルを可能にしたスマートパッケージングの試験運用に取り組んだ。他にも、ニュープラスチックエコノミー、エレン・マッカーサー財団イニシアチブ、エレン・マッカーサー財団とUNEPが主導するグローバルコミットメント、EU循環型プラスチック同盟、プラスチック廃棄物撲滅同盟などのパートナーシップにも参加している。

また、EU全体の拡大生産者責任(EPR)スキームに参加しており、プラスチックボトルの回収およびリサイクル率の向上、そして2029年までに90%の回収をEU目標としている道路脇に放置されたボトルの回収に対するデポジットの返金スキームを支援している。

【プレスリリース】PepsiCo Commits to 100% Recycled Plastic Beverage Bottles for its Pepsi Brand in 9 EU Markets By 2022