株式会社リフォーム産業新聞社が運営する中古品市場に関するニュースサイト「リサイクル通信」はこのほど、独自にリユース市場規模を推計し、2021年の市場規模は前年比11.7%増の2.7兆円であったと発表した。リサイクル通信が公表した結果は、以下のとおり。

調査を開始した2009年以降、リユース市場は12年連続で拡大している。販売経路別では、全経路で前年を上回り、店舗販売が前年比12.0%増となった。ネット販売のBtoCは前年比14.7%増、フリマアプリなどのネット販売のCtoCは前年比10.4%増となっている。商材別では、ブランド品が回復し前年比19. 6%増、玩具・模型も上昇を続けており前年比19.7%増、スポーツ・レジャー用品も前年比10.8%増となった。

2021年のリユース市場の成長は、新型コロナウイルス感染症の影響が薄れたことで、需要が回復したことが背景にあるとリサイクル通信はみている。リサイクル通信は、2022年にリユース市場は3兆円規模に、2025年には3兆5000億円規模になると予測した。このように拡大が予想されているリユース市場には、国も注目している。

2018年に閣議決定された「第四次循環型社会形成推進基本計画」は注力すべき7つの柱を定め、各柱において国が実施すべき取り組みと指標を設定している。柱の一つ「ライフサイクル全体での徹底的な資源循環」における取り組みとして「シェアリングなどの2Rビジネスの促進と評価」が、代表指標として「リユース市場規模」が掲げられている。

「第四次循環型社会形成推進基本計画」は2年に1回程度、環境省に設置された中央環境審議会が循環基本計画に基づく施策の進捗状況を評価・点検すると定めている。環境省は2022年9月、施策の進捗状況を評価・点検した結果をまとめた報告書「第四次循環型社会形成推進基本計画の第2回点検結果(循環経済工程表)」を策定した。このなかで、「リユース市場規模」は拡大傾向にあるとしながらも、引き続き状況を注視する必要があると発表した。今後の方向性として、「3R+Renewable(再生)の取り組みを展開するべく、素材ごとの施策の展開・効率化・高付加価値化を進める」「リユース・修理・サブスクリプションなどの循環型事業モデルの取り組みを推進する」など、リユース市場拡大に向けた取り組みを公表している。

国も注視し推進しているリユースは今後、市場規模の拡大が予想されており、さらなる取り組みが展開されていくことが期待される。

【参照サイト】リユース業界の市場規模推計2022(2021年版)
【関連記事】環境省、循環経済工程表を策定。9つの方向性を提示
【関連記事】サーキュラーエコノミー、2021年5つの注目テーマ