サカタインクス株式会社と株式会社ダイセキは9月2日、廃インキのリサイクルに関する実証実験を開始したことを発表した。サカタインクスは、印刷やパッケージ産業で生じる廃棄物の再資源化に向け国内4工場で実証実験を進めており、廃棄物の素材ごとに適したパートナーと提携している。6月には第一弾として金属スクラップの実証実験を発表し、今回の実証実験は第二弾。

本取り組みでは、サカタインクスの大阪工場で発生する廃グラビアインキをダイセキが回収し、エマルジョン化させる。その後、セメント会社が製造設備稼働用の石炭代替燃料として再利用する。このプロセスにより、廃棄物の削減と石炭代替燃料の導入が実現するという。

また、サカタインクスが開発した「ボタニカルインキ」は、植物由来成分を一部に使用しており、燃料として使用された際に植物由来成分から発生するCO2をオフセットする効果も期待されている。

今後、サカタインクスは他の国内工場でも同様の実証実験を展開し、環境負荷の軽減と経済効果の実現を目指す。また、同業他社や顧客にも廃棄物の再資源化を推進するためのスキームを展開し、印刷業界におけるゼロエミッションの実現を目標としている。

サカタインクスは1896年創業の化学メーカーであり、印刷インキ業界で世界第3位のシェアを持つ。環境に配慮した製品の開発に力を入れており、特にパッケージやデジタルメディア向けのインキを中心に事業を展開している。ダイセキは60年以上の実績を持つ産業廃棄物処理業者で、特に処理難度の高い液状廃棄物のリサイクルで高い技術力を誇る。

【プレスリリース】印刷関連業界における廃棄物の再資源化に向けた実証実験
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