イタリアと米国に本拠を置くデザイン・イノベーション企業CRAは、完全に堆肥化可能なマーカー「Scribit Pen」のデザインを発表した。CRAによると毎年350億本を超えるプラスチックマーカーが廃棄されているが、画材業界において持続可能性と循環型への移行を促進することを目指す。

Scribit Penは、すべてのパーツが環境に配慮されたうえでつくられ、ペン先とカートリッジには天然繊維が、胴軸には木材とバイオプラスチックおよび陽極酸化アルミニウムが使用された。ペン先とカートリッジは交換可能であるため、同じ胴軸を半永久的に使用できる。さらに、食用としても認定されている無毒の水ベースのインクを使用している。


(出典:CRA)

CRA社はScribit Penを描画ロボットであるScribit用に開発した。Scribitは、マーカーを使用して壁に絵を描いて消去も行う、CRA社が設計したユニークなロボットで、米Time誌の2019年のベスト インベンションの一つに選ばれた。Scribitは、循環型経済を促進するという誓約を掲げており、Scribit Penはこの誓約に貢献するものとなる。CRA社は、Scribit Penをリニア型モデルに取って代わることを目指す、生産と消費への持続可能なアプローチであると位置付けている。

Scribit Penデザインチームを率いたMIT Senseable City Labの所長であるカルロ・ラッティ教授は、「Scribit Penを開発することで、人類の原始的な行為の一つである描画を完全に持続可能なものに変えられます」と述べている。

【プレスリリース】THE WORLD’S FIRST COMPOSTABLE MARKER
【参照サイト】Scribit
【参照サイト】DIY Wall Decor

*冒頭の画像の出典はCRA