田中貴金属グループの製造事業を展開する田中貴金属工業株式会社はこのほど、金や白金などの貴金属資源において100%リサイクル材のみを使用した再生貴金属「REシリーズ」(読み方:アールイーシリーズ)を発表した。

希少で埋蔵量に限りのある天然資源である貴金属などの鉱山資源の採掘は、大量のエネルギーを必要とする。金や白金などの貴金属リサイクルは比較的進んでいるが、金と白金族の日本におけるリサイクル率は約30%で、引き上げが必要だと同社は考える。REシリーズの展開は新たな採掘と環境負荷を削減し、循環型社会の構築に貢献できるとしている。

今後、同社はREシリーズを使用した製品の製造と供給を開始する。第1弾として、REシリーズの金を用いためっき用金化合物を2022年4月に供給開始した。REシリーズの展開による社会課題解決への貢献には、リサイクル量の底上げが必要であると同社は考えており、リサイクル材の提供を顧客に呼びかけていく。

創業時から貴金属リサイクル事業を展開してきた同社は、顧客のリードタイムを軽減し材料調達コストを低減するべく、製品の回収・精製から再製品化まですべてグループ内で管理する体制でサービス提供している。今後、同社の高度な貴金属分析技術(※)で顧客からの回収品を正確に評価していくとともに、研究開発を引き続き進めていく意向だ。

資源を循環させることで、環境負荷を削減し利益も生み出すサーキュラーエコノミーに準じたREシリーズの今後の展開が期待されるとともに、こうした取り組みが拡大していくことが望まれる。

※ 田中貴金属グループは、金の国際的認定機関LBMA(ロンドン貴金属市場協会)とプラチナ・パラジウムの国際的認定機関LPPM(ロンドン・プラチナ・パラジウム市場)より世界で5社、日本を含むアジアで唯一の公認審査会社(Good Delivery Referee)に任命されている。白金・金・銀・パラジウムの分析技術に関し、日本で初めて(田中貴金属グループ調べ)ISO/IEC17025を取得した。

【プレスリリース】田中貴金属工業、貴金属資源において、100%リサイクル材のみを利用した「REシリーズ」を発表
*冒頭の画像の出典:田中貴金属グループ