英国マンチェスターメトロポリタン大学は3月2日、3Dプリンティング技術などを活用して廃棄プラスチックから新たな製品を作り出すことを目指すプロジェクト「TRANSFORM-CE」を始動すると発表した。

同プロジェクトは、ERDF(European Regional Development Fund:ヨーロッパ地域開発基金)の一部であるインターレッグ北西ヨーロッパプログラムの協力のもと、英国マンチェスターメトロポリタン大学が主導して展開するものだ。

960万ユーロの資金を活用し、欧州北西部に広がる埋め立て地から廃棄プラスチックを取り除くとともに、リサイクルプラスチック素材に対する新たな経済需要を生み出し、サーキュラーエコノミーを推進することを目的としている。

また、マンチェスターは2038年までにカーボンニュートラルを実現するという目標を掲げており、グレーター・マンチェスター市長のAndy Burnham氏も同プロジェクトを支援している。

現状、プラスチック製品の多くはバージン素材と天然資源を使用してゼロから製造されており、一度使用されると回収され、リサイクルに回される。しかし、リサイクル後のプラスチックは質が下がるため、より低品質なプラスチックでも使用可能な製品にしか活用できないという課題がある。

TRANSFORM-CEでは、この状況を打破し、プラスチックの価値を維持しながら使用し続ける循環型のリサイクルモデルの構築を目指す。具体的には、3Dプリントの圧縮成形と鋳型造形という2つの技術を用いて使い捨てプラスチックを原材料に戻し、机や椅子、3Dプリントの製品を生産することで、リサイクルされるプラスチックに新たな価値を与える取り組みを進める。

ペットボトルのような硬いプラスチックは、圧縮されて3Dプリンティングに使用する材料のフィラメントとなる。また、薄いフィルムやホイルのようなリサイクルされにくいプラスチックは鋳型造形の技術を使い、机や椅子などの立体的な製品づくりに使われる。

TRANSFORM-CEは、バージンプラスチックに代わる材料を提供することで、サーキュラーエコノミー型の事業展開を進める企業を支援する狙いがある。英国マンチェスターメトロポリタン大学は3Dプリンティング製品の製造センターであるPrintCityの本場であり、同技術がビジネスをサポートする際に大きな役割を果たすとみている。

TRANSFORM-CEのプロジェクトディレクターで教授のCraig Banksは、「TRANSFORM-CEがさまざまなレベルの取り組みと力を合わせ、サーキュラーエコノミーを主導できることはとても素晴らしいことだ。」と語った。

廃棄されるプラスチックが多い中、たとえリサイクルしたとしてもそれがダウンサイクルになってしまっては、真の意味で循環型のモデルとは言えない。3Dプリンティング技術を活用し、価値を維持しながら廃棄プラスチックを新たな製品へと生まれ変わらせるTRANSFORM-CEのプロジェクトは、リサイクルプラスチックに対する市場を生み出し、サーキュラーエコノミーを推進したい企業にとっても大きな助けとなるはずだ。同プロジェクトから今後どのような製品が生まれるのか、これからの展開に期待したい。

【参照記事】Waste plastic to be transformed into new products as part of pioneering €9.6 million project