オランダ政府は、フィンランドのイノベーションファンドSitraと共に、循環型経済と気候の関係に取り組むハイレベル会議「WCEF+Climate」を2021年4月15日に主催すると発表した。
世界の温室効果ガス総排出量の45〜50%が、原材料の採取と加工に関連していると多くの研究が結論付けており、循環型経済が温室効果ガスの削減に貢献する大きな可能性を秘めていることは明らかである。
WCEF+Climateでは、100か国近くのビジネスリーダー、政策立案者、専門家が一堂に会し、循環型経済のソリューションが気候変動対策にどのように役立つかを議論する。主催するオランダ政府は次のように呼び掛けている。
「循環型ソリューションと気候変動と共に、経済を再起動させましょう。今年は変化と適応の年です。新型コロナウイルス感染拡大は、世界と私たちの経済に大きな影響を与え、同時に、循環型経済に迅速に移行することがこれまで以上に重要となりました。全世界がパンデミックによる影響から立ち直る方法を必要としている今、生物多様性危機の解決にも貢献しながら、循環可能な解決策で経済の持続可能な回復を支援するまたとない機会です。このイベントの最終的な目標は、政府・企業・その他の社会のリーダーを奮い立たせ、循環型経済の実現に向け次の一歩を踏み出すことです。私たちが共通の気候目標を達成し、より良い仕事とよりクリーンな未来で新しい経済に拍車をかけるのに役立つ素晴らしい機会となるでしょう。」
プログラムの概要
このイベントでは、共同行動声明を作成することを目的とし、循環型経済と気候変動の関係を取り上げる。イベントはオンラインで開催され、ビジネスリーダー・政策立案者・専門家など、気候変動や循環型経済、排出削減に関心のあるすべての人が参加可能であり、次のような議題について協議される。
- パリ協定(2020年12月に5周年を迎えた):気候目標やSDGsと連動する循環型経済のモニタリングを通じて相乗効果を確立し、前進する道を開く
- 自主目標であるNDCs(国が決定する貢献)を中心とした各国行動計画において循環型経済の可能性を最大限に引き出す
- 循環型経済における地域間の構造的連携の強化
- SDGs達成のために解決する課題に、循環型経済の実現をより適切に組み込む
- 水および農業部門における気候変動への回復力と適応力を強化し、気候変動対策を地域の開発計画の主軸に据える
- 低炭素で気候変動に強い経済の実現
- プラスチックと電子機器のバリューチェーンにおける地域横断的な連携の構築と循環性の向上
- 循環型経済と気候目標を結びつける政治的コミットメント
イベントに関する今後の詳細はSitraのウェブサイトにてアップされる予定だ。
【参照記事】Aiming at a circular economy by 2050, a necessity for carbon neutrality Ministry of Infrastructure and Water Management | Government.nl
【参照記事】WCEF+Climate