デザインによる社会変革プラットフォームでオランダに本拠を置くWhat Design Can Doは、イケア財団と共同で実施する第5回気候変動アクションチャレンジ「Redesign Everything Challenge」の募集を開始した。WDCDは、製品や素材からストーリー、システム、サービス、スペースに至るまで、世界を根本的にリデザインするアイデアを持つイノベーターを世界中から募集するとしている。募集期間は2024年3月13日まで。Circular Economy Hubは、日本のメディアパートナーを務める。
「地球沸騰化」とも言われるフェーズに入り、気候変動による負の影響が世界全体で広がり始めている。しかし、専門家によれば、目前に迫っている最悪のシナリオを回避するため、炭素排出量を削減しなければならず、私たちにはまだ行動するチャンスが残されている。このチャンスを活かして変化を起こすためには、あらゆる規模や分野で創造的な解決策が必要となる。アマゾンの生物多様性の損失、ケニアのプラスチック廃棄物、オランダの住宅危機など、私たちが現在直面している問題の多くは、深く、相互に結びついている。こうした認識に基づき、WDCDはこれまででよりも応募対象プロジェクトを大幅に広げて募集したとしている。
気候危機への取り組みは、私たちの経済のありようを変えることを意味する。どのセクターも単独で行うことはできないが、デザイナーは製造から使用、生活の方法を直線的なものから循環的なものへとシフトさせることで、影響を与えることができる。また、デザインの最も重要な役割としての急進的な想像力は、まだ存在しないものを見抜き、アイデアを現実のものとし、楽観主義で前進することを可能にする。WDCDは、本プログラムを通じてさまざまな分野やセクターを横断する創造的な気候変動ソリューションを求めており、具体的には食品、ファッション、パッケージングから、モビリティ、エレクトロニクス、デジタルサービス、建設に至るまで、私たちの産業全体への影響を軽減する方法についての新しいアイデアや既存の企業も含まれる。
応募対象プロジェクト
製品、素材、コミュニケーション、スペース、システム&サービスという5つの主要分野における創造的な気候ソリューション
受賞したイノベーターへの特典
受賞イノベーターは、以下の特典が受けられる。
- 5,000ユーロの資金
- オンライン・トレーニング、メンタリング・セッション、ブートキャンプを含むグローバルな開発プログラムへの参加(ブートキャンプは2024年7月にアムステルダムで行われる予定)
- WDCDチャレンジネットワークの一員として、世界的な出版物に掲載されたり、WDCDのイベントで講演する機会
過去のチャレンジ受賞者については、こちらに掲載されている。
応募方法
2024年1月17日から3月13日23時59分まで、下記のページより応募を受け付ける。
Redesign Everything ホームページ(英語)
応募後の流れ
応募受理後にモデレーターによる審査が行われ、正式に承認される。その後、応募期間中であればアイデアの修正やブラッシュアップが可能。2024年4月、デザイン、社会的影響、気候変動対策の第一人者で構成される審査委員会が最低10人の受賞者を選出。5月に正式発表される。
主催者について
What Design Can Do(WDCD)
WDCDは、社会変革のツールとしてのデザインを提唱する国際的なプラットフォーム。2011年以来、世界で最も差し迫った社会問題や環境問題への取り組みにおけるデザイナーの役割を促進するため、数多くの活動を行ってきた。これまでに、アムステルダム、サンパウロ、メキシコシティで15回のカンファレンスを開催。2016年、WDCDは意欲的なデザイン・チャレンジ・プログラムを開始し、難民の福祉や気候変動といった喫緊の社会問題にクリエイティブ・コミュニティを巻き込んでいる。
イケア財団(The IKEA Foundation)
イケア財団は、戦略的フィランソロピーとして、子どもたちの未来を脅かす2大要因である貧困と気候変動への対策に重点を置いた助成活動を行っている。現在、年間2億ユーロ以上を助成しており、気候変動から地球を守りつつ、家庭の収入と生活の質の向上を支援する。2009年以来、子どもたちとその家族によりよい未来をつくるために20億ユーロ以上を助成。2021年には、温室効果ガスの排出削減を加速するため、今後5年間で10億ユーロを追加することを決定した。