EUの使用済自動車指令を大きく改正する「使用済自動車規則案(ELV規則案)」は、2023年7月の欧州委員会による法案発表からこれまで、EU理事会および欧州議会による修正作業が行われてきた。2025年9月からは非公式の三者協議(トリローグ)による最終審議段階に入っており、2025年12月には、理事会と議会における暫定合意が発表された。だがその時点ではまだいくつかの技術面をめぐる議論が残されており、今年に入っても審議が続けられてきたが、2026年3月現在、発効に向けた最終段階に入っている。
本稿では、最終合意内容における自動車の循環性促進を担う2つの要件について、これらの目指すものと業界への影響を見ていく。
プラ再生材の使用義務
まず、審議に最も長い時間が費やされ意見が分かれた要件(第6条)の一つは、自動車に使用される再生材含有目標値だ。資源の循環性を促進し二次原料市場を構築することを目的として導入される要件で、再生材需要を創出するものとして大きな期待が持たれている。今回は優先項目としてプラスチックに対する具体的な目標値が設定された。当初は25%という数値が欧州委員会によって提案され、その後の修正段階ではより野心的な数字が挙げられる一方で、目標値を取り外すという意見も出ていた。最終的な合意内容では、欧州委提案数値25%は引き下げられ、段階的な目標値が設定されることになった。
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【ELV規則発効へ】「プラ再生材含有率目標」と「サーキュラリティ戦略」を読み解く。各業界への影響は?
藤原 ゆかり
欧州在住フリーライター/リサーチャー。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。専門分野:EU環境政策・規制。イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。趣味は旅行と油絵。









