ダイキン工業株式会社と伊藤忠商事株式会社は2026年7月9日、業務用空調機における資源循環の高度化と再生材の水平利用拡大を目的に包括的業務提携契約を締結したと発表した。

循環経済への移行が進むなか、業務用空調分野でも、使用済み機器に含まれる資源を再び製品に活用する水平リサイクルの重要性が高まっている。一方で、再生材を製品に安定的に適用するには、品質評価やトレーサビリティを含めたサプライチェーン全体での管理が不可欠であり、回収から再資材化、製品適用、品質保証までを一体で管理する仕組みの構築が課題となっていた。

両社は、ダイキングループが持つ製品技術や品質保証、伊藤忠グループが持つリサイクル知見・ネットワーク・データ管理力を組み合わせ、不要となった業務用空調機の回収から再資材化、製品適用までを一体的に推進し、環境負荷低減と持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。

取組概要は以下の4点。

  • 両グループの連携により、業務用空調機の回収・解体・選別・冷媒回収・品質評価・再資材化・製品化まで資源循環の全工程を一貫管理する
  • 金属(鉄・銅・アルミ・レアアース等)、プラスチック(外装・内装樹脂・ファン)、電子部品、フロン類など多様な再利用素材を順次拡大する
  • 物流、データ管理、法令適合、顧客連携まで包括的な体制を構築し、制度認定を取得する
  • 全国的な展開を段階的に進め、規制や品質要件を順守しつつ事業を拡大する

まずは国内市場で水平リサイクル事業の実装と法認定取得を進め、品質・規制要件を満たしながら順次全国展開する予定。対象モデルや数量、品質基準、配合率などは個別に契約し、迅速な展開を図るとしている。

環境省が公開している認定状況によると、高度再資源化事業(類型①)の認定は2026年4月30日時点で石坂産業株式会社とDINS関西株式会社の2件、高度分離・回収事業(類型2)は株式会社浜田の1件にとどまっている。今回の提携も認定取得前の段階にある。

役割分担については、ダイキングループが再生材の性状・性能評価や生産工程設計、受入基準の作成・検査、設置協力会社と連携した回収・保守網の活用、再生材の安定調達、再生材利用製品の企画・販売・PRなどを担う。

伊藤忠商事グループは、再資源化事業等高度化法類型①の認定取得・更新支援、全国リサイクルネットワークの構築、廃棄物の物流・収集運搬手配、再生材の由来や処理工程・配合比・適合証跡を管理するトレーサビリティ体制構築、再資源化率やCO2削減量算定基盤の構築・運用を担当する。

ダイキンはこれまでも、冷媒の回収・再生をはじめ、銅・アルミ・レアアース磁石などの水平リサイクルを重要施策として推進してきた。2025年9月には再生アルミを活用した熱交換器の量産化に向けた取り組みを、2026年4月には業務用エアコン圧縮機のレアアース磁石リサイクルに向けた協創開始を発表している。

本取組には、伊藤忠グループから伊藤忠メタルズ株式会社(ダイキン製冷凍コンテナの販売、非鉄材料供給)とウイングアーク1st株式会社(温室効果ガス排出量集計システム「EcoNiPass」提供)が、ダイキングループから株式会社ダイキンサンライズ摂津(廃棄機器の解体・分別を担う特例子会社)、ダイキンエアテクノ株式会社、株式会社ダイキンアプライドシステムズ、全国のダイキンHVACソリューション各社(10社)が参画する。

【プレスリリース】伊藤忠商事と業務用空調機の水平リサイクル事業で包括的業務提携を締結
【プレスリリース】ダイキン工業株式会社と業務用空調機の水平リサイクル事業で包括的業務提携を締結
【参照記事】再資源化事業等高度化法の認定状況
【参照記事】早わかり「再資源化事業等高度化法 認定制度」
【関連記事】業務用エアコン圧縮機のレアアース磁石をリサイクル。ダイキンなど4社が共創。AIで分解・回収を自動化
【関連記事】ダイキン工業、UACJ、日本磁力選鉱が空調機用熱交換器のアルミフィン水平リサイクル技術を実証。業界初の成功
【関連記事】伊藤忠、ゲットイット出資で法人向けIT機器の再流通・保守事業に参入。循環型モデル拡張へ