佐渡市・国立大学法人新潟大学・株式会社NTTデータはこのほど、佐渡市にリビングラボ「佐渡島自然共生ラボ」を開設すると発表した。地域住民と共に、自然と共生しながら経済発展を実現する社会システムを検討することを目指す。

3組織は、「佐渡の森里海の可能性を生かした産業が発展し、豊かさを実感できる島を実現する」をテーマに、ワークショップで整理した課題の解決や理想とする姿の実現を目指す産学官民連携の場として同ラボを創設した。今後、2030年までの自然共生と経済発展を好循環させる社会システムやサービスの創出に向けた取り組みを進める。同ラボの概要は、以下のとおり。

3つの主要機能(予定)

  • コミュニティ形成:島内外・産学官民の垣根を超えた情報交換の場としてコミュニティを形成する
  • プロジェクト実践:ネイチャーポジティブな佐渡島の未来につながる産学官民連携のさまざまなプロジェクトを展開する。学びとイノベーションの場、第一次産業における他地域での成功事例や事業創出を学ぶ。佐渡島の可能性を正しく把握するべく、島内の資源を可視化し評価する。地域課題の解決と全体の好循環な社会システムに向けた対話を通じて実現に導く
  • 政策との連携・全体の管理:同ラボを佐渡市の政策と連携させ、3つの機能を均衡を保ちながら展開するべく全体を管理する

各組織の役割

  • 佐渡市:活動現場の提供、市民への共働促進、佐渡市の政策との連携と全体の管理
  • 国立大学法人新潟大学:島内外のステークホルダーのコミュニティ形成・運営・インタレスト分析
  • 株式会社NTTデータ:リビングラボの運営・地域に不足する人財面での支援・新たなユースケースの発掘・地域課題に対するソリューションの検証
  • 地域住民・企業・研究機関:リビングラボへの参加

実施中のプロジェクト

  • 佐渡島の自然資源をデジタルで見える化するプロジェクト:佐渡の自然資源に対して、生産効率のような単純な指標ではなく、デジタルを活用して防災・生物多様性・資源の価値・伝統など、地域全体を捉え好循環させるための視点で評価できる判断基準をつくる
  • 農林水産業が一体となった新規加工品製作プロジェクト:農林水産の資源だけでなく、各産業に携わる人材や知見と技術を掛け合わせることで、新たな加工品を生みだし、デジタルを活用して島外への販路を拡大する

なお、同ラボ開設を記念して、3組織は11月19日にシンポジウムを佐渡市にて開催する。

今後の佐渡島自然共生ラボの展開が注目されるとともに、循環型社会の構築を目指し世界各地でリビングラボを通じた実験が実施されるなか、こうした取り組みが拡大していくことが期待される。

【プレスリリース】佐渡市の社会問題を産学官民で解決するプロジェクトを開始~「佐渡島自然共生ラボ」で循環型社会を実現 ~
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