食品メーカー6社と物流企業のF-LINE株式会社はこのほど、2023年10月に北海道地区における共同配送の仕組みを再構築すると発表した。
6社は、味の素株式会社・カゴメ株式会社・日清オイリオグループ株式会社・株式会社日清製粉ウェルナ・ハウス食品グループ本社株式会社・株式会社Mizkan。
配送拠点と配送車両の共同利用を推進し、物流効率を改善することで、CO2排出量を約16%削減できるとしている。
7社が同決定にいたった背景は、食品業界の物流環境が多くの課題を抱えていることだ。課題の例として、トラックドライバー不足・物流コスト上昇・CO2排出量削減がある。2015年2月、上述の食品メーカー6社は、より効率的で安定した物流力確保と食品業界全体の物流インフラの社会的・経済的合理性を追求するべく、食品企業物流プラットフォームの構築に合意。2016年4月、6社とF-LINEは「共同配送の推進」を重点項目の一つに定め、北海道地区で取り組みを開始した。
今回、現在2箇所ある保管・配送拠点を1箇所に集約し、共同保管・共同配送によって各車両の積載効率向上と配送回数削減を目指す。同取り組みにより、納品先への配送車両台数が削減され、荷受時の負担も軽減できるとしている。今後、環境負荷低減の一環として、道内遠隔地納品の鉄道輸送活用も検討していく意向だ。
(出典:味の素株式会社、カゴメ株式会社、日清オイリオグループ株式会社、株式会社日清製粉ウェルナ、ハウス食品グループ本社株式会社、株式会社Mizkan)
食品メーカー6社は「競争は商品で物流は共同で」という理念のもと、「6社共同配送の推進」「中・長距離幹線輸送ルートの再構築」「物流の整流化・各種標準化(伝票電子化、外装サイズなど)」をF-LINEと実現することを目指す。食品企業の物流プラットフォームの高次化に向けて、持続可能な物流体制を構築していきたいとしている。
物流効率改善に向けては、建設・家具・プラスチック・アパレルなど、さまざまな業界において取り組みが進められている。今後、多くの企業の協働およびベストプラクティスの共有により、物流の効率化が加速していくことが期待される。
【プレスリリース】~持続可能な物流体制の実現に向けて~ 食品メーカー6社と物流企業F-LINEが北海道地区の共同配送を再構築 配送拠点・配送車両の共同利用の推進により物流効率を改善し、CO2排出量を削減
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