伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と伊藤忠メタルズ株式会社はこのほど、廃スプリングマットレスの再資源化を目的とした実証実験を関東地区で開始した。

適正処理困難廃棄物に指定されている廃スプリングマットレスのリサイクルにおける効率的な回収と、鉄資源などの資源循環を促進し、リソーシング系の共通基盤構築を目指す。実証は2023年8月31日まで実施予定。

CTCは、2023年6月に設立された家具インテリアリサイクル&リニュー協議会(以下、R&R協議会※)に参画している。R&R協議会は、4つのワーキンググループを順次立ち上げる予定で、そのうちの一つが「リソーシング」だ。今回CTCと伊藤忠メタルズが実施する実証は、リソーシングワーキンググループの取り組みの一環となる。

実証では、廃スプリングマットレスの運搬における経路最適化と廃棄物の処理状況の可視化を検証する。R&R協議会に参画している排出事業者の廃棄スプリングマットレスのサイズ・枚数・重量などの情報を集約し、トラック1台当たりの積載量が最大となる回収経路で配送する。実証において、CTCが自社開発した廃棄物処理の可視化プラットフォーム「StateEco(ステートエコ)」を活用。StateEcoは情報を一元的に集約して、廃棄物の回収から最終処理までを可視化し、リアルタイムで状態を確認できるプラットフォームで、AI(人工知能)も活用して時間と費用の両面で最適な運搬経路を算出する。

加えて、伊藤忠メタルズが提供する電子マニフェスト登録サービス「Smart.i∞(スマートアイ)」を利用してデータ連携・代行登録を実施し、収集運搬事業者と処分事業者が入力した登録内容を管理し検証する。排出事業者側の事務作業の効率化と情報の正確性向上が目的だ。

実証実験のイメージ(出典:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社、伊藤忠メタルズ株式会社)

R&R協議会は実証を通じて、廃棄される家具をリサイクルし原料として利用する資源循環の確立と、環境省の広域認定制度を通じた参画企業の認定取得を目指す。認定取得した製造・販売事業者は、顧客の廃棄処理を引き受けられるようになり、リサイクル率向上および不法投棄のリスク低減につながるとCTCはみている。

今後、CTCは実証実験の結果で得た知見と環境改善につながるデータを活用して、環境配慮型の物流プラットフォームを提供していきたい考えだ。

※ 家具インテリアリサイクル&リニュー協議会:家具関連企業35社が2023年6月に設立。不要家具の引き取り・リユース・再資源化などの資源循環や、森林の生態系保全、CO2排出削減など、環境負荷の少ないサプライチェーンの構築とサーキュラーエコノミー移行を目指している

【プレスリリース】資源循環を目的とした廃棄物処理可視化の実証実験を開始 廃棄物処理の可視化プラットフォーム「StateEco」で再資源化までのトレーサビリティを確立
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