2020年にオープンしたCircular Economy Hub。以前から欧州を中心に盛り上がりつつあったサーキュラーエコノミーの潮流が、新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて進められたサステナビリティを重視した経済復興策「グリーンリカバリー」と相まって、国内外でより広がり、より深まった一年でした。

サーキュラーエコノミーの潮流が広がった2020年、皆さんに関心を持って読んでいただいた記事ランキングを通して振り返ってみましょう(アクセス数は2020年12月21日現在まで)。

第1位:欧州、ポストコロナの経済復興は「グリーンリカバリー」で。各界で動き高まる

2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするグリーン移行を加速しながら経済成長と雇用創出の実現を目指すEUの新たな成長戦略、欧州グリーンディール。その主要な柱がサーキュラーエコノミーへの移行です。コロナ禍からの経済復興が求められる中、このグリーンディールを加速させることを目指して欧州各国やカナダなどで「グリーンリカバリー」が進みました。

第2位:「サーキュラーエコノミーとはそもそも何か?」エレン・マッカーサー財団学習プログラム From Linear to Circular #1

Circular Economy Hubでは、エレン・マッカーサー財団が10週間にわたって提供するオンライン学習プログラム「From Linear to Circular: Open to All」のレポートを、同財団の許可を得たうえで12回シリーズで掲載しました。

また、同レポートに基づいて、日本での各業界の取り組みをご紹介するオンラインプログラムを実施。のべ約500人の読者の皆さんにご参加いただきました。

【参考】エレン・マッカーサー財団から学ぶサーキュラーエコノミーの全体像 ~ゲストセッション付き~

全7回オンラインプログラム最終回の様子

第3位:欧州委、「Farm to Fork(農場から食卓まで)」戦略を公表。持続可能な食料システム目指す

サーキュラーエコノミーは、ともすると工業製品の生産・消費サイクルのみを指すと捉えられる向きがあるかもしれませんが、サステナブルな食の生産・消費サイクルの構築もサーキュラーエコノミーの大きなテーマです。2030年までに農地の25%をオーガニックに転換するという方針も、野心的な目標として国際的に注目されました。

第4位:欧州委員会が新たな「Circular Economy Action Plan(循環型経済行動計画)」を公表

2015年からサーキュラーエコノミーを本格的に推進してきたEUが、取り組みをさらに加速させるために策定した「サーキュラーエコノミー2.0」ともいえる新たな計画。電子機器とICT・バッテリーと車・包装・プラスチック・テキスタイル・建築・食の7領域を重点分野と規定するとともに、長期間の使用・再利用・修理・リサイクルが容易な設計や短期間での劣化防止などを法律で義務づける方向性を示唆するなど、サーキュラーエコノミーの具体的な推進に向けて国際的な影響を及ぼすものになるでしょう。

第5位:アムステルダム市、ポストコロナ経済を回復させる「ドーナツモデル」を採用

グリーンリカバリーを具体化する文脈で、英国の経済学者ケイト・ラワース氏が提唱する「ドーナツ経済学」が注目されました。地球環境が許容できる範囲の中でバランスを保ちながら、人々の社会、経済ニーズを満たすことを求めているドーナツ経済学は、サーキュラーエコノミーを取り入れた都市計画を策定したオランダ・アムステルダムをはじめ複数の地域で実践されようとしており、コロナ禍に見舞われた世界にとって再生への道しるべになろうとしています。

いかがでしたか?Circular Economy Hubでは、2021年も国内外のサーキュラーエコノミー関連情報をお届けするとともに、海外を含めた最新動向を皆さんとともに学べる機会を提供していきますので、ぜひアクセス、ご参加下さい。