愛知県は9月3日、2024年5月に公募を開始した「あいち環境イノベーションプロジェクト」に、8件のプロジェクトを採択したことを発表した。この取り組みは、持続可能な社会の実現を目指し、県内企業とのマッチングや実証フィールドの提供を通じて、サーキュラーエコノミーの推進を図るものだ。
募集は2024年5月13日から7月12日まで行われ、95者から96件の応募があった。審査委員会により、エネルギー創出や温室効果ガスの吸収、カーボンリサイクル、サーキュラーエコノミー型ビジネスなど、革新性や共創性が評価された8つのプロジェクトが選ばれた。
採択されたプロジェクトは、低温排熱を電力に変換する技術や高効率バイオガス発電システム、CO2の固定化技術、植物廃棄物由来の建材製造、使用済み紙おむつのリサイクルなど、多岐にわたる。
例えば、株式会社Eサーモジェンテックの「熱電発電システム」は、工場で発生する低温排熱を電力に変換する技術を活用し、エネルギー効率を高めるもの。また株式会社豊橋バイオマスソリューションズは、メタン発酵技術を活用した次世代型バイオガス発電システムを食品工場に実装するプロジェクトを推進する。これらの技術は、産業界におけるエネルギー消費の削減に寄与し、カーボンニュートラルの実現に向けた重要な一歩となると期待されている。
また、サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルとして採択されたプロジェクトでは、リサイクルが困難な使用済み炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のリサイクル技術や、植物廃棄物を用いた内装材の製造などが注目されている。これらの技術は、資源の循環利用を促進し、廃棄物削減に貢献するものである。
採択されたプロジェクト
- 株式会社Eサーモジェンテック:熱を直接電気に変換する熱電発電システム
- 株式会社豊橋バイオマスソリューションズ:次世代型バイオガス発電システム
- 東洋建設株式会社:CO2の回収・固定化
- 株式会社スタジオスポビー:県民の環境行動に伴うCO2削減量の見える化
- 株式会社fff fortississimo:リサイクル困難なプラスチックリサイクル
- 株式会社Spacewasp:100%植物廃棄物由来内装材の製造・リメイク
- サハシ特殊鋼株式会社:使用済み紙おむつのマテリアルリサイクル
- DeepForest Technologies株式会社:ドローン・AIによる森林モニタリングシステム
今後、愛知県は採択されたスタートアップに対して、企業との連携支援や専門家の助言、実証フィールドの提供を行い、プロジェクトの実現をサポートする。2025年3月頃に、成果報告会が予定されている。
【プレスリリース】【知事会見】あいち環境イノベーションプロジェクトの採択スタートアップ等を決定しました
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