アサヒグループホールディングス株式会社は5月15日、サステナビリティ推進に注力するスタートアップとの協業機会を世界規模で探索する「Sustainability Innovation Program」において、9社のパートナー企業を選定したと発表した。この協業を通じて、同グループは2040年までのネットゼロ目標達成に向けた取り組みを加速し、持続可能な未来の実現を目指す。

同プログラムには世界48カ国から263社のスタートアップが応募し、その中から厳選された9社がパートナーとして選ばれた。協業する分野は、持続可能な農業と原材料、再生可能エネルギーとエネルギー効率化、持続可能な容器包装と循環型経済の3つにわたる。

選定された企業は、多岐にわたる革新的な技術やソリューションを提供する。具体的には、水生生態系をモニタリングする水中ロボットを開発するSeaGen、画像認識技術でスマートなリサイクルを支援するGreyparrot.AI、土壌微生物解析に基づいて再生農業を支援するBiome Makersが含まれる。また、カーボンネガティブな特性を持つ植物由来染料を開発するNature Coatings、酵素を用いてプラスチックや繊維廃棄物を分解する技術を持つSamsara、自然分解する海藻由来のパッケージを製造するNotplaもパートナーとなった。さらにエネルギー分野では、クリーンで安価な産業用熱・電力提供技術を開発するRondo、製造業における蒸気や熱の利用を脱炭素化する最新技術を持つSkyven、そして重工業向けの長期蓄熱システムを提供するKraftblockが選ばれた。

アサヒグループは今後、これらのパートナー企業と緊密に協力し、グループ内でのソリューション導入および拡大に向けて、共同で将来的な発展の可能性や実現性を探求していく。この協業により、同グループのサステナビリティ戦略を強化し、グローバルな環境課題の解決に貢献するイノベーションを創出することが期待される。

【プレスリリース】持続可能な未来に向けた課題解決を目指しスタートアップ9社をパートナーに選定
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