株式会社アストロスケールホールディングスの英国子会社、アストロスケール英国は8月13日、エアバスSEの子会社であるエアバス・ディフェンス・アンド・スペース(以下、エアバス)との間で、軌道上サービスおよびスペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去に関する協業の可能性に関する覚書を締結したと発表した。
アストロスケールは持続可能な宇宙環境の実現を目指し、エアバスと共に技術と強みを共有しながら、英国における軌道上サービス産業の発展と循環型宇宙経済の確立を目指す。主な協業分野は以下の通りだ。
- デブリ除去は、地球軌道上のデブリを確認、捕獲、除去する技術の模索を含む。現在運用中あるいは将来運用予定の宇宙機の安全を確保し、持続可能な宇宙環境の維持を図る。また、アストロスケールの今後のミッションとして、エアバスのロボットアーム「ビスパ」を取り入れる可能性を探る予定だという。
- 軌道上サービスは、軌道上の衛星に対するメンテナンス、修理、改修技術の開発を目指す。衛星の運用年数を延ばし、デブリとなる衛星の数を減少させ、宇宙の運用効率向上を図る。
- 軌道上のRPO(Rendezvous and Proximity Operations、ランデブ・近傍運用)は、衛星を安全に捕獲するための技術開発。軌道上サービスとデブリ除去に必要な正確なナビゲーションと捕獲技術の開発が含まれる。
- 軌道上での組み立てと製造は、宇宙空間での宇宙機部品の組み立てという新たな可能性の模索を含む。このアプローチにより資源の再利用が促進され、ごみの削減や宇宙ミッションのコスト低減が期待される。
- 衛星の燃料補給と寿命延長は、軌道上での燃料補給や他のサービスを通じて、既存の衛星の運用と寿命を延長することを目指す。これにより、代替衛星の打ち上げの必要性を低減する。
今回のパートナーシップは、技術促進と持続可能な宇宙利用を確立するという両社のコミットメントを表している。エアバスの豊富な衛星開発経験と、アストロスケールの先進的かつ実証済みRPOおよび軌道上サービス技術の組み合わせにより、安全で効率的な宇宙利用の新たなスタンダードの確立を目指している。
アストロスケールホールディングスは、2013年に設立された宇宙デブリ除去を含めた軌道上サービスの専門企業。持続可能な宇宙利用のために、エアバスとの協業を通じて技術革新を進めたい構えだ。
【プレスリリース】アストロスケール英国、エアバスと軌道上サービスにおける協業の可能性に関する覚書を締結
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HEDGE GUIDE 編集部 サーキュラーエコノミーチーム
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