サーキュラーエコノミー案件への投資を専門とする米国の投資会社Closed Loop Partners(本社ニューヨーク)は3月3日、PETプラスチックから付加価値の高い中間生成物にリサイクルする技術を持つ米リサイクル会社リテラ(本社ヒューストン)に200万米ドルを投資すると発表した。

リテラの革新的な技術は、捨てられてしまう微小なPETプラスチックを複数の異なる用途に使用できる液状の中間生成物にできるというもの。今回のClosed Loop Partnersからの投資は、生産能力の増強に対応するための設備の新設や更新に使用される。同社は設備の新設によって生産能力を倍増させることができ、2年以内に年間1億ポンドのPET素材の処理が可能となる見通しだ。

PETプラスチックはリサイクルの過程で3-6%の素材ロスが発生するが、リサイクルプラスチックの需要が増すにつれて、PETプラスチックのリサイクル業者から捨てられる素材を活用できる機会が生じている。世界の大手34の商品・小売ブランドは、向こう10年間で容器・包装材に一定割合のリサイクル素材を使用すると表明している。こうした動きはリサイクル業界にとって追い風になっており、容器・包装材を製造、供給する企業に対してより多くのリサイクル素材を使用できるようなサプライチェーンへの移行を促している。

Closed Loop PartnersのCEOを務めるRon Cone氏は、今回の投資について「リテラの技術は、これまでなら捨てられてしまう微小なPET素材から付加価値の高い製品をつくることで、PETプラスチックのリサイクルコストの低減に大きな役割を果たす。リサイクルプラスチック市場が拡大する中で重要度が増している、リサイクルシステム全体の課題解決に貢献するものだ」とコメントした。

リテラ会長のJason Ball氏は「5年間現状の生産能力で対応してきたが、今回のクローズドループからの支援によって、われわれの製品への市場ニーズに応えることができ、われわれの事業を次のステージに引き上げることができる」とコメントした。

今回の投資は、Closed Loop Partnersのパートナーであるインフラストラクチャー・ファンドを通じた初のプロジェクトファイナンス案件として行われる。同ファンドは、米国内での素材リサイクルを促進してサーキュラーエコノミーを構築することを目指して、世界最大手級の商品・小売各社からの支援を受けている。

【参照記事】Closed Loop Partners Invests $2 Million in Reterra to Further Close the Loop on PET Plastic & Keep Valuable Materials in Play