ベルギーのブリュッセル首都圏地域は9月28日、ポストコロナ経済からの復興と持続可能で繁栄する経済への移行を加速させることを目的として「ドーナツ都市計画」の導入を発表した。

ドーナツ都市計画とは、イギリス経済学者ケイト・ラワース氏の考案する構造モデル「ドーナツ経済学」を都市計画に落とし込んだもので、これまでに導入を発表したオランダのアムステルダム、アメリカオレゴン州のポートランド、ペンシルバニア州のフィラデルフィアに続き、ブリュッセルは世界で4番目の自治体として名を連ねることとなった。

このイニシアチブは、地球環境と都市の繁栄を、誰ひとり取り残すことなく目指すもので、「ドーナツ都市ポートレート」というレンズを通して、地域住民が直面している課題に対する革新的な解決策と対話の場を生み出す。ローカル・グローバルに影響を及ぼす課題に対し、社会・生態系両面からのアプローチを可能にする。

プロセスは主体的に参加を望むすべての人たちに開放されており、経済移行を主導する知識や経験を持つ組織や政府機関だけでなく、この地域での暮らしの実態を把握し、計画に反映させるために地域住民も参加するものとなる。

BRUSSELDONUTより

ブリュッセル首都圏地域の経済移行・科学研究を担当するバーバラ・トラッハテ長官は次のように述べた。「ドーナツは、地球環境の限界と、豊かでバランスのとれた生活のために満たされなければならない最低限の社会的ニーズを多くの人々に理解してもらうための素晴らしい教育ツールだと考えています。このツールを導入することで、政府の公約する経済移行を加速するために必要となる経済政策を明確にし、実行に移していけるはずです。」

【参照】Brussels bets on the Donut