エディオンは5月13日、太陽光パネルの販売・施工から、使用後の回収、そして再資源化までを一気通貫で担う体制を構築したと発表した。広島県福山市に、グループ会社の株式会社イー・アール・ジャパン(ERジャパン)が「PVリサイクル工場(マテリアル2号棟)」を新設し、同日から稼働を開始した。
背景には、2012年の固定価格買取制度(FIT)導入以降に普及した太陽光パネルの大量廃棄問題がある。製品寿命を迎える2030年代半ば以降、国内では年間約50万トン規模の廃棄が発生すると予測されており、リサイクル施設不足により埋立処分への依存が課題となっている。
初期に普及した太陽光パネルは、耐久性や発電効率を重視した構造が主流で、ガラスやシリコンセルを封止材などで強固に接着しているため、分解や高純度な素材回収が難しいとされてきた。こうした中、既存パネルの回収・選別・再資源化を担うインフラ整備の重要性が高まっている。
新設工場では、破損や変形したパネルにも対応しやすい「ハンマー方式」を採用し、物理的な衝撃でパネルを粉砕・剥離する。また、デジタル色彩選別機を活用し、粉砕後に混合した素材から不純物を除去し、高純度ガラスの回収を可能にする。パネル重量の約6割を占めるガラス部材は、「ガラスカレット」として回収し、提携先を通じて建材用グラスウール(断熱材)や土木用資材などへ再資源化する。
これにより、エディオンは自社が販売・施工した太陽光パネルだけでなく、廃棄相談の窓口としても機能し、回収から高度リサイクルまで一気通貫で対応できる体制を整える。施工対応エリアを対象に、店舗や物流拠点を窓口として回収し、ERジャパンがリサイクルを担う。
家電量販店がグループ内に太陽光パネル専用リサイクル工場を保有し、販売から再資源化までを一貫して担う体制を整えることで、より実効性を高めることができると考えられる。太陽光パネルの普及拡大に伴い、導入後の廃棄・再資源化までを含めた循環インフラ整備が求められる中、小売・施工・物流・リサイクルを自社ネットワークでつなぐことで、資源循環の受け皿拡大につながるか注目される。
【プレスリリース】エディオン、太陽光パネルの「販売から再資源化」までの一貫体制を確立
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