一般財団法人PVリボーン協会はこのほど、太陽光パネルの水平リサイクルに成功したと発表した。

同協会は、株式会社新見ソーラーカンパニーと株式会社タミヤと共同で、廃棄パネルから原材料を抽出し、新規パネルを製作した。原材料抽出には、新見ソーラーカンパニーが開発したプロトタイプのソーラーパネル熱分解装置を使用した。

同装置は、廃棄太陽電池モジュールからアルミフレームを外し、高温の水蒸気でモジュールを加熱。モジュールの封止剤や樹脂シートを熱分解で気化させ、燃焼時にCO2を排出することなく、表面のガラス・太陽電池に使われている銀やシリコン・配線の銅などを高純度で回収するとしている。

PVリボーン協会と新見ソーラーカンパニーは、2024年をめどに、海外において同装置の製造・販売、リボーンの建設、リボーンパネルの生産を開始することを目指す。現在、業務提携・資金提供パートナーを募集している。

PVリボーン協会は、廃棄太陽電池モジュールの水平リサイクルによるエネルギーの自給自足を目的として、2022年8月に新見ソーラーカンパニーが設立し、2023年10月1日時点での会員数は118組織にのぼる。PVリボーン協会は同装置を活用して産廃処理業者や素材メーカーなどと連携し、太陽光パネルの水平リサイクルのサプライチェーン構築を目指している。

再生可能エネルギー推進に伴い、太陽光パネルは日本をはじめ世界で多く導入されているが、使用済み太陽光パネルの廃棄が問題となっている。環境省は、廃棄量は加速度的に増加すると予測しており、使用済み太陽電池モジュールのリユース・リサイクルなどの推進を目指している。

米国立再生可能エネルギー研究所は、太陽光パネル廃棄問題の要因の一つとして、従来の技術では太陽光パネルの分解が困難であることを挙げている。現在、低価値の材料が回収されており、リサイクルによる高コストを相殺するための十分な収益がないため、リサイクルされる量はごくわずかであるとの見解を発表した。銀・シリコン・銅など、高価値の原材料を高純度で回収するPVリボーン協会が共同開発した同技術をはじめ、今後、多くの取り組みが太陽電池モジュールのリユース・リサイクルなどの推進に貢献することが期待される。

【プレスリリース】廃棄パネルから抽出した原材料による新規パネル(リボーンパネル)製作=水平リサイクルに成功|廃パネルから高純度な原材料を抽出できる装置が希少なため世界初と考えられます
【参照レポート】令和4年度使用済太陽電池モジュールのリサイクル等の推進に係る調査業務-報告書-
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