欧州環境機関(European Environment Agency。以下、EEA)はこのほど、ブリーフィング「サーキュラーエコノミーへの選択を消費者へ(Enabling consumer choices for a circular economy)」を発表した。
サーキュラーエコノミー移行を推進するにあたり、消費者動向の形成を目的とする政策には大きな効果が期待できるとの見解を示した。同ブリーフィングの概要は、以下のとおり。
これまでの政策は、製品や生産工程における環境負荷の削減や消費者への情報提供を目的として開発されてきた。しかしながら、生産と消費システムは密接に紐付けられており、相互に大きく影響し合う。生産者は消費者需要に対応しながら消費者需要を形成し、消費者による選択は設計などの製品サプライチェーンの上流部門やリサイクラーなどの下流部門の決定に大きな影響を与える。
消費者と企業の両方が商品需要を左右するという考えに基づき、同ブリーフィングでは、これまで政策開発において模索されてこなかった消費者動向に焦点を当て、その動向が生産者へ与える影響について概説する。消費者動向に影響を与える要因に着目してモデル理論を打ち立てながら、サーキュラーエコノミー移行政策の消費者動向への影響も探索している。そのなかで展開される主要議論は、下記である。
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藤原 ゆかり
欧州在住フリーライター/リサーチャー。EUの政策・規制、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および調査に携わっている。専門分野:EU環境政策・規制。イギリスの大学院で戦争学、国際関係学を学ぶ。趣味は旅行と油絵。