伊大手電力会社エネル傘下のエネル・グリーンパワー(以下、EGP)はこのほど、スイスに本拠を置くエネルギー貯蔵システム開発のエナジー・ボールト(以下、EV)と提携することを発表した。風力発電のバリューチェーン全体に循環型経済の視点を取り入れ、寿命を迎えた風力タービンブレードのリサイクル材を重力エネルギー貯蔵システムで使用する重りに組み込むことを目的とする。
2020年における世界の風力発電の新設容量は前年比53%増という記録的な結果になり(※)、今後数年間も急激な成長が見込まれるとEGPはみている。これは再生可能エネルギー分野では非常に良いニュースだが、風力発電所が寿命を迎えて解体されたときのための循環型ソリューションを開発する必要もあると考える。
シンプルかつ革新的な重力エネルギー貯蔵システム
EGPは2019年、同社グループの「Open Innovability(オープン・イノバビリティ)」の精神に基づいて実施した研究のなかで、機械技術を用いた重力エネルギー貯蔵システムを提供するEVに注目した。EGPはEVの同システムを次のように特徴づけた。
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廣瀬 優香
大学時代にベトナムとカンボジアで行った教育関連の活動をきっかけに、国際協力や環境問題に興味を持つ。大学在学中は化学を専攻し、バイオマスプラスチックについて学ぶ。メーカー勤務ののち、現在はライター・翻訳者として活動。個人ブログ:旅好きのひとりごと https://international-blog.com/