欧州委員会のサステナブル・ファイナンスに関する専門家グループ(TEG)は4月27日、EUが持つサステナビリティに関わる各種の枠組み(EUタクソノミー、EUグリーンボンド基準、気候移行ベンチマークなど)によって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に見舞われる欧州を持続可能な形で再生できるとする声明を発表した。

EU域内での新型コロナウイルス感染症による死者数が減少し、各国政府がロックダウン施策からの出口戦略を模索する中、サステナビリティを見据えた形での再生を求める声が増している。

コロナ後は環境とデジタル化へ投資を

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、アースデイ50周年に寄せたメッセージで、新型コロナウイルスの影響から再生する経済対策を、地球規模の環境問題の解決につながるようにもすべきだと各国政府に促した。さらに、欧州委グリーンディールチーフのフランス・ティマーマンズ氏は、新型コロナウイルス危機後のあらゆる経済対策は環境とデジタル化に向けて投資されると確約した。

EUの研究開発機関の欧州イノベーション・技術機構(EIT)官民連携プロジェクトClimate-KICの担当者は「われわれは地球規模のリスクに対する回復力を高める必要性があり、新型コロナウイルスの流行は、リスクに対応できないと多大な代償を支払うことになると示した」と指摘。そのうえで、気候変動リスクを避ける投資を見極めるタクソノミーを含めたEUのサステナブルファイナンスのツールは、政府に対して、気候変動の影響やその他のリスクに直面しても耐えられる経済支援策への投資を促すだろうとしている。

【声明】Sustainable recovery from the Covid-19 pandemic requires the right tools.
【参考記事】The European Union has the tools to boost a sustainable recovery from the COVID-19 pandemic, say TEG experts
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