一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)はこのほど、デジタル技術を活用した新しい社会と市場の創造を目指す「Green x Digitalコンソーシアム(グリーン × デジタル コンソーシアム)」を2021年10月19日に設立すると発表した。

同コンソーシアムでは、企業のカーボンニュートラル化の促進に向けて産業・社会の変革につながる新たなデジタルソリューションの創出・実装に向けた活動を推進する。JEITAはJEITA会員企業だけでなく、幅広い業界・業種の企業に対して参加を呼びかけており、公式サイトで参画企業を受け付けている。

JEITAが同コンソーシアム設立を決定した背景は、以下のとおりだ。日本政府は2020年10月、「2050年カーボンニュートラル」を発表し、これを受けて経済産業省は同年12月、関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定した。グリーン成長戦略を支えるのは強靱なデジタルインフラであり、グリーンとデジタルは車の両輪であると経済産業省は記している。

2021年度の事業計画の一つにJEITAは「グリーン×デジタルによる経済成長を実現するための事業環境整備」を掲げており、「JEITA共創プログラム※」の一つとして、同コンソーシアムの事務局を担当し事業を推進していく意向だ。今後、環境関連分野のデジタル化や新たなビジネスモデルの創出などに関する取り組みを通じて、日本の関連産業が世界のグリーン市場を牽引できるよう活動していくとしている。

近年のデジタル技術で注目されているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX)だ。経済産業省は2018年のレポートで、DXの推進により2030年までに実質GDP130兆円超の押上げを実現すると発表した。その一方で、日本企業がDXを実現できない場合、市場の変化に対応できず大きな経済損失が生じるいわゆる「2025年の崖」を指摘している。「デジタル」が必ずしも「グリーン」に結びついていない現状において、JEITAが幅広い業界・業種の企業に参加を呼びかけている同コンソーシアムの今後が注目される。

※ JEITA共創プログラム:より広範な社会課題の解決に向けた、あらゆる産業・業種の企業とベンチャー企業との「共創」を推進し、新たな市場創出を促進する制度で、2018年5月に創設された

【プレスリリース】「Green x Digitalコンソーシアム」、2021年10月設立を発表
【参照サイト】「Green x Digitalコンソーシアム」入会申込受付を開始