⾷品サブスクサービス提供のオイシックス・ラ・⼤地株式会社が展開する食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」はこのほど、資源循環プロジェクト「ぐるぐるRadish」を開始した。
同プロジェクトでの新しい取り組みは、「食器の循環サービス」だ。同サービスでは、らでぃっしゅぼーやと美濃焼産地である岐阜県の有志企業が集った「GL21」が協力し、使用済み食器を顧客から回収・粉砕して再生陶土の一部(約2割)に使用し、新たな食器製造に活用する。枯渇性消費資源である陶土の持続的な利用を目指すとともに、陶磁器は自然分解されにくく、埋立地を圧迫する原因の一つになっていることから、ごみ問題解決にも貢献していきたい考えだ。
(出典:オイシックス・ラ・⼤地株式会社)
そのほかにも、自社配送の枠組みを活用して、乾燥させた家庭の生ごみや使用済み衣類などを回収し、再活用する仕組みを推進する。
らでぃっしゅぼーやは、より多くの人が参加できる包括的なサービス展開と情報発信に取り組むべく、「3つの循環」を軸として同プロジェクトを開始した。3つの循環は「リジェネラティブ:再生産する」「サーキュラー:自然に還す」「リユース&リペア:使い続ける」で、詳細は次のとおり。
- リジェネラティブ:再生産する
廃食器を再生陶土として活用する「食器の循環」、家庭の生ごみを環境再生型農業に取り組む生産者の畑に肥料の原料として還元する「乾燥資源の循環」、使用済み衣類を再生繊維に変える「衣類の循環」など、再生産につながる参加型の商品やサービスを提供する。2001年から開始した「乾燥資源の循環サービス」には、2022年10月12日までに1667名が参加し、生産者2組織が乾燥資源の受け入れ・再生側で現在参画している - サーキュラー:自然に還す
循環型素材を使用した商品を提供する。リサイクル・アップサイクル原料を活用した紙類、生分解性に優れ排水後の環境負荷を抑えた洗剤、農薬成分を使わず自然界に残留しない虫よけ、サンゴを守るべく紫外線吸収剤を使用しない化粧品、間伐材を活用した雑貨などを展開 - リユース&リペア:使い続ける
包丁やハサミの切れ味を復活させる「包丁研ぎサービス」、環境に配慮した方法を採用した「布団丸洗いサービス」などの維持サービスを提供している。らでぃっしゅぼーやの自社便配送における梱包資材はリユースする
らでぃっしゅぼーやは、「宅配で参加できるサーキュラーエコノミー」をテーマに、多くの人に参加の機会を提供する多様な循環サービスを展開することで、食と暮らしを起点としたサーキュラーエコノミーを根付かせ、宅配でサステナブルな未来をつくっていきたい考えだ。多くの人を巻き込んでさまざまな循環サービスを展開する同プロジェクトが、宅配業界のサーキュラーエコノミー移行に寄与していくことが期待される。
【プレスリリース】家にいながら”資源の循環”に参加できる!「捨てる」を減らし、「生かす」に変えるサーキュラーエコノミー推進プロジェクト「ぐるぐるRadish」が10月17日(月)からスタート
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*冒頭の画像は廃食器から生まれた食器(出典:オイシックス・ラ・⼤地株式会社)