スウェーデン発祥でオランダに本拠を置く家具製造・販売大手のイケアは9月11日、2020年後半に世界初となる中古店をオープンすることを発表した。

イケアが修理済み家具を販売するのは、スウェーデンのエシルストゥーナ市の中古品ショッピングセンター「リトゥーナショッピングモール」内の店舗だ。リトゥーナショッピングモールは5年前に世界初の中古品ショッピングセンターとしてオープンして以来、国内外で注目されている。

同店舗では、修理されたイケアの家具や家財道具を、店頭価格よりもはるかに安い値段で購入できるようにする。定期的に店舗の再評価も行われる予定だ。さらに、この店舗はイケアの製品研究にも役立つとしている。製品が廃棄される理由や廃棄されたときの状態、顧客がリサイクルのために製品を寄付または放棄することを選択した理由、顧客が製品を購入することに興味があるかどうかなどの情報を取得する機会が得られるという。

中古店を開店するという今回の試みは、イケアのサステナビリティの取り組みの一環だ。イケアは2030年までに製品に再生可能素材とリサイクル素材のみを使用することを目標として、すべてのイケア製品を新しい循環型の原則に従ってデザインすることを発表している。

「サステナビリティの目標を達成するためには、自分たち自身に挑戦し、実際に実践に移すべくアイデアを試していく必要がある」と、イケア・スウェーデンのサステナビリティ責任者、ジョナス・カーラヘド氏は語っている。イケアは、販売する製品が別用途での使用・修理・再利用・再販売・リサイクルの対象になることを想定。その前提ですべての製品を設計し、廃棄物の発生をできる限り減らすべく、バリューチェーン内での働き方全体を直線型ビジネスから循環型ビジネスに転換している。その一例として、2019年に家具をレンタルできるパイロットプロジェクトをスイスで行うことを発表している。

イケアは循環型ビジネスを実現するには、サプライヤーや政府、顧客などとの協力が必要になると考える。インター・イケアグループの最高経営責任者(CEO)であるトルビョーン・ルーフ氏は、「私たちは、率先して行動し、原材料のサプライヤーからお客さまやパートナーに至るあらゆる人々と協力することに尽力しています」と述べている。

【プレスリリース】Världens första IKEA second hand-butik öppnar i Sverige
【参考記事】イケアの全員が協力して取り組んでいます
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