資源循環コンサルティング事業を手掛けるJ-CIRCULARS株式会社は1月26日、排出事業者向けの廃棄物マネジメントツール「サーキュラーレポート」をリリースした。廃棄物の排出量、リサイクル率、CO2排出量などの数値化と可視化を通じて、排出事業者の廃棄物に関連するコスト削減、コンプライアンス、環境対応推進などの取り組みをサポートする。
同社によると、J-CIRCULARSグループの顧客である排出事業者からは、廃棄物に関連するコスト削減や環境対応のニーズが高まっているという。しかし従来、廃棄物に関するデータ集計や活用のハードルが高かったことから、同社は廃棄物可視化ツールの開発に着手した。
「サーキュラーレポート」は、サマリーレポートとその他詳細レポートで構成されている。サマリーレポートでは、排出事業者が自ら排出した廃棄物の排出量や月次推移、リサイクル率、廃棄物処理から発生するCO2排出量などが確認できる。
詳細レポートでは、サマリーレポートの各データを、さらに排出品目や処分方法別にフィルターをかけてデータ確認できる。どの廃棄品目、どの処理方法からCO2が多く発生しているのか理解することで、今後のCO2排出量削減に取り組むヒントになる。これらのデータで、排出事業者が排出する廃棄物をより正確に把握・分析し、廃棄物処分費の削減、コンプライアンス、排出CO2の算定、低減などを加速させることが狙いだ。
ユーザーである排出事業者は、同社が発行する顧客ごとのIDとパスワードでレポートにアクセスする。可視化が可能なデータは、J-CIRCULARSグループに処理委託を行っている廃棄物に限定される。しかし、同グループ以外に処理委託をしている廃棄物でも、マニフェストデータを提供することで可視化が可能になるという。
「サーキュラーレポート」は、J-CIRCULARSグループの大和エネルフ株式会社と株式会社中部クリーンシステムと取引のある排出事業者向けにまず提供される。将来は、同グループの顧客でない事業者や管理会社への展開も検討していく予定。今後、機能も拡充する構えだ。
J-CIRCULARS社は、中部地区で産業廃棄物の収集運搬・中間処理業を行う大和エネルフ社、中部クリーンシステム社が、循環型社会への更なる貢献を目指すために2021年設立した持株会社。経営理念に「サーキュラーエコノミーをデザインし、資源豊かな現在(いま)を創る」を掲げ、廃棄物に関わる企業経営の課題解決を支援している。
【プレスリリース】J-CIRCULARS㈱、排出事業者向け廃棄物可視化ツールの「サーキュラーレポート」をリリース
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※画像の出典:J-CIRCULARS株式会社