環境省は9月20日、第3回「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」総会の開催内容を公表した。第3回総会は9月9日、経団連会館にて開催され、伊藤環境大臣及び十倉会長らが出席。生物多様性に関する最近の動向や、「J-GBFネイチャーポジティブ行動計画」の進捗について議論された。また、昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)の普及を目的とし、「生物多様性枠組スマート版」が発表された。
本会議では、近年の生物多様性の動向を受けて、環境省や農林水産省からの報告が行われた。伊藤環境大臣は、2024年3月に策定された「ネイチャーポジティブ経済移行戦略」について触れ、ネイチャーポジティブの取組が企業価値創造やビジネス機会の創出に寄与する可能性を示した。さらに、4月に成立した生物多様性増進活動促進法のもと、民間団体の生物多様性促進の取り組みが国に認定されることで全国的な活動の促進につながるとし、活動を支援するために様々な形でのインセンティブ等を検討中だと述べた。
また十倉会長は、企業による生物多様性保全活動の評価の仕組みを設けることで、企業価値の向上とネイチャーポジティブ推進につなげる好循環を創る必要があると指摘。2024年に発表された骨太方針やグランド・デザイン実行計画の改訂版に政府による環境整備が盛り込まれている点を評価し、産学官民が連携して生物多様性保全に取り組むことの重要性を強調した。
【プレスリリース】第3回「2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)」総会の開催結果について
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