鹿島環境エンジニアリングは2025年8月29日、株式会社chaintopeが提供するエンタープライズ向けパブリックブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」を、同社の廃棄物トレーサビリティシステムに採用したと発表した。このシステムは、既存の電子マニフェストASPサービス「KENET®(ケーイーネット)」を拡張し、産業廃棄物だけでなく一般廃棄物や有価廃棄物まで含めた幅広い廃棄物の追跡を可能にするものだ。
新システムは、廃棄物の再資源化プロセスをブロックチェーン上に記録し、再生原料の購入者(メーカー)に対してその履歴を証明する機能を持つ。これにより、メーカーは廃棄物の発生元まで遡った透明性の高い情報を得ることが可能となる。サービスは2025年11月より提供が開始される予定だ。
このシステムは、廃棄物の回収から再資源化までのカーボンフットプリント(CFP)を記録できるため、環境負荷の可視化に貢献する。また、現在規格化が進められている品質保証規格「IEC/ISO82474」の項目を記録できるよう対応が進められている。既に複数の企業と試行運用を進めており、早期の普及展開が図られる見込みだ。
株式会社chaintopeは、あらゆる情報がデータ化される社会において、そのデータの信頼性を担保するため、ブロックチェーン技術の社会実装を進める企業だ。同社が開発するTapyrusは、複数の法人で共同運営するコンソーシアムの方針に合わせて記録ルールを設計でき、かつオープンソースソフトウェアを利用して誰でも自由に分散台帳を閲覧できる透明性を兼ね備えている。
鹿島環境エンジニアリングは、排水処理や資源循環を核とした環境技術を提供する鹿島グループの一員だ。企画・調査から許認可申請、設計、施工、試運転までをワンストップでサポートするエンジニアリング事業や、資源有効利用の観点から多種多様な廃棄物処理方法を提案する廃棄物適正処理事業などを展開している。
【プレスリリース】鹿島環境エンジニアリング、廃棄物トレーサビリティシステムにTapyrus(タピルス)を採用
【関連記事】サトーとLOZI、業務提携を締結。DPP対応の次世代トレーサビリティで動静脈物流の効率化を推進
【関連記事】Circularise、東京オフィスを開設。日本でのトレーサビリティ推進を加速
【関連記事】三菱ケミカル、ケミカルリサイクルの透明性向上に向けた実証試験を実施
