マークテック株式会社は9月13日、「完全リサイクルPTシステム」の提供を発表した。このシステムは、蛍光浸透探傷試験で発生する洗浄廃水から浸透液と洗浄水の両方を再利用可能にすることを目指している。

蛍光浸透探傷装置(PT装置)は、自動車産業など多くの金属部品の検査に使用されている。しかし、検査過程で発生する蛍光浸透液の洗浄廃水は、産業廃棄物処分または工場内の排水処理設備で処理する必要があり、課題となっていた。

また、従来の洗浄廃水を再利用するPT装置は、洗浄水を繰り返し使うことによる悪臭や、洗浄水と分離された廃油の処分コストといった問題を抱えていた。マークテックは、これらの課題に対応するために高効率なリサイクル機能を備えた「完全リサイクルPTシステム」を開発した。

まず「完全リサイクルPT装置」では、洗浄水の使用量を従来の約1/4に削減し、独自の油水分離フィルターを採用することで、フィルター交換なしで6ヶ月以上使用できる。また、専用蛍光浸透液(PAT.P)は、水に溶け出しにくく再生効率が高いため、洗浄後も検査面に残留物が残らない特性を持つ。繰り返し再生水を使用しても、腐敗が起こりにくい。これにより、悪臭の防止といった作業環境の改善や、清掃頻度の低減、ランニングコスト削減が実現可能となるという。

完全リサイクルPT装置で回収した油分を同社が買い取り、製造工程で新液と同等の性能に調整したうえで「再生浸透液」として販売する。こうした仕組みを提供することで、CO2削減と環境負荷の低減、再生品利用によるランニングコストの低減など、環境的また経済的価値の実現に貢献するとしている。

【プレスリリース】『完全リサイクル PT システム』に関するお知らせ
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