株式会社メルカリ(以下:メルカリ)の研究開発組織 「mercari R4D」(以下、R4D)と大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下、NII)は、2022年9月1日よりNIIの事業である「情報学研究データリポジトリ(IDR:Informatics Research Data Repository)」を通じて、大学等の公的な研究機関(学術研究機関)向けにフリマアプリ「メルカリ」の出品データ(以下、メルカリデータセット)の無償提供を開始すると発表した。

メルカリは、月間2,040万人が利用する「メルカリ」上の出品情報、写真、コメントなど、CtoC(個人間取引)の二次流通市場における大規模なデータを所有。R4Dでは、実際の取引データを、個人情報保護法を遵守しプライバシーに配慮したうえで、NIIと連携して研究目的で学術研究機関向けにデータセットとして提供するとしている。

同社は、個人の生活の質の向上や社会課題を解決する上で、データの利活用の重要性の高まり、また、AIやビッグデータなどの研究領域を中心に、データを活用した研究活動が活発化してきているという時代背景があると指摘。現実社会で活用可能な研究成果を創出するために、実データを利用したいという研究現場でのニーズが高まっていることをこの取り組みの理由として挙げる。産学連携の促進、新たな研究コミュニティの創出、人材育成などへの貢献を目指す。

メルカリアプリ内の出品データ(出典 : メルカリ)

メルカリデータセットには、2020年1月~12月の間にアプリ上に出品された商品情報(テキスト・画像)と、コメント情報(テキスト)が含まれる。このデータの活用により、CtoCでの取引過程における消費者の行動・心理分析や、中古品の価値分析、二次流通市場の特性分析など、循環型社会の実現に向けた幅広い研究への活用が期待できるとしている。

【プレスリリース】フリマアプリ「メルカリ」の出品データを大学等へ無償で提供開始〜二次流通市場における消費者の行動・心理分析の研究などを通じて、循環型社会実現への貢献を目指す〜