環境省と一般社団法人日本経済団体連合会(以下、経団連)はこのほど、脱炭素社会の実現に向けて緊密に連携することで合意した。今後、両者は「チャレンジ・ゼロ」イニシアチブ(「脱炭素社会」の実現に向けて企業・団体がチャレンジするイニシアチブ)や、TCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)、SBT(科学と整合した目標設定)、RE100(再生可能エネルギー100%調達)、パリ協定に基づくNDC(国が決定する貢献)達成に向けて連携を強化していく。なお、環境省は他の政府機関と協力し、経団連及び会員企業等の取り組みを支援する方針だ。
コロナ危機と気候危機という2つの危機に直面するなか、経済社会をより持続可能でレジリエントなものへ再設計(Redesign)し、環境と成長の好循環を創出することが求められている。とりわけ、気候変動問題の解決には革新的技術開発とその地球規模の普及が不可欠である。こうした観点から環境省と経団連は、パリ協定に掲げられた脱炭素社会の実現を目指し緊密に連携を図る。あわせて、日本のNDC(国が決定する貢献)の実現に向け協力するとともに、技術開発や生活様式の変化を踏まえ、さらなる削減努力を追求する。
また、金融面でも、サステナブルファイナンスやESG金融を経団連が推進し、環境省は各国政府と連携して環境整備を行う構えだ。
環境省と経団連は、今後定期的な意見交換等を行う。両者は「脱炭素社会」のほか「循環経済」「自然共生・分散型社会」への「3つの移行」、そして環境省が提唱・推進してきた「地域循環共生圏」や技術革新を用いて社会課題を解決するSociety 5.0 for SDGsの実現に向けた連携も図る。
【参照記事】環境と成長の好循環に向けたコロナ後の経済社会の再設計(Redesign) -脱炭素社会実現に向けた環境省・経団連の連携に関する合意