株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)はこのほど、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」の研究推進法人である独立行政法人環境再生保全機構から研究開発機関の1つに選定された。研究開発プロジェクト「再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証」を実施し、プラスチックの循環経済実現に向けた検討を推進する。

MRIが発表した同研究開発プロジェクトの概要は以下の通り。

MRIのこれまでの取り組み

プラスチックの循環経済の実現には、プラスチックの資源循環の確立が不可欠だが、日本の再生プラスチック市場は未成熟だ。MRIは、再生プラスチックの供給事業者(リサイクル事業者等)と利用事業者(製品メーカー等)の情報共有の円滑化による市場創出を目指し、2021年から再生プラスチックの需要と供給のマッチングを促すツールを検討し、簡易実証を実施してきた。

同研究開発プロジェクト

今回採択された研究開発プロジェクト「再生プラスチックのマッチングツールの開発及び活用実証」(2023年度より最長5年間を予定)では、MRIのこれまでの取り組みの成果を活用して、マッチングアプリを開発。その上で、再生プラスチックの供給事業者と利用事業者に試行利用してもらい、マッチングと利用の実証事業を実施する予定だ。

また、再生プラスチックの原料となる廃プラスチックの回収量拡大に向けて、廃棄物処理事業者が回収する廃プラスチックと再生プラスチック供給事業者(リサイクル事業者等)とのマッチング可能性の研究や、再生プラスチックのトレーサビリティツールとの連携を図る検討を進めていくとしている。

図:MRIプレスリリース(2023年8月28日)より

今後の予定

MRIは、プラスチック資源のサプライチェーンにかかわる企業や、研究機関、政府機関等と連携して、本研究開発プロジェクトを実施する。

そして、本研究開発プロジェクトで研究開発を進めるマッチングアプリを核として、再生プラスチック市場を拡大する仕掛け(トレーサビリティ、環境価値の見える化等)を備えたプラスチック資源循環プラットフォームを創出し、プラスチック資源が循環利用される量の拡大を図り、プラスチック循環経済の早期実現を目指す。

【プレスリリース】再生プラスチックの需給マッチングアプリの開発・実証で市場拡大へ