陶磁器メーカーのニッコー株式会社(以下、ニッコー)はこのほど、取り皿のサブスクリプションサービス「sarasub(サラサブ)」を開始し、導入店舗を募集している。

食器業界では上質な食器づくりに欠かせない土や石などの天然資源の枯渇が進んでいるが、飲食店では皿は消耗品として認識され、強度よりも導入コストが優先されて廃棄量が増えるという事例があるとニッコーはみている。食器メーカー側は耐久性が高く割れにくい皿を作れば作るほど、新しい皿が購入されないという状況があったとしている。

そこで、ニッコーは取り皿のサブスクリプションサービス「sarasub」を開始した。同サービスでは、ファインボーンチャイナの取り皿から好みの食器を毎月定額で50枚から利用でき、契約期間は2年間もしくは3年間となっている。種類は、エクスクイジット・ウユン・フラッシュ・インフィニティ・オリエンタルの5つだ。

sarasubのサーキュラーエコノミーの仕組み

同サービスにより、飲食店は初期費用を抑えて上質な取り皿を利用でき、収納場所も削減できるとしている。顧客の一番近くにある取り皿を高級化することで顧客の満足度向上につながり、これまで欠けや割れで廃棄しなくてはならなかった食器をニッコーに返却することで、産業廃棄物コストも削減できるとみている。さらに、食器のサステナビリティに取り組んでいることを顧客に伝えることで、サステナブルなブランディングを強化できると考える。

契約終了後にニッコーは皿を回収して傷がない場合は再利用し、傷がある場合は修理・リファービッシュして再利用することで、取り皿の廃棄を削減し食器の循環を目指す。食器の所有権をニッコーが持ち続けることで、同社がこれまで進めてきた食器の耐久性向上に向けた取り組みを加速できるとしている。

1908年に石川県金沢市で創業したニッコーは2021年4月、飲食店のサステナビリティを支援するウェブマガジン「table source(テーブルソース)」を開設した。同時に、食器のサーキュラーエコノミーを推進する研究開発プロジェクト「NIKKO Circular Lab(ニッコー・サーキュラー・ラボ)」を開始し、これらの取り組みを推進するべく、日本サステイナブル・レストラン協会に加盟している。

【プレスリリース】飲食店向け取り皿のサブスクサービス「sarasub」が導入店舗を募集開始
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*記事中の画像の出典:ニッコー株式会社