レコテック株式会社はこのほど、花王株式会社・三菱ケミカル株式会社・株式会社リコーと共同で、プラスチック資源循環実証を福岡大学で開始した。

令和3年度に続き、レコテック株式会社は公益財団法人福岡県リサイクル総合研究事業化センターの研究開発事業に令和4年度も採択された。同実証は、公益財団法人福岡アジア都市研究所・双日株式会社・凸版印刷株式会社・福岡大学と共同で立ち上げた「プラスチック再生材の市場と利用可能性に関する研究会」を活用する。

同実証の目的は、約1万9000人が在籍する福岡大学を回収拠点として、プラスチック資源の回収可能性とCO2削減量について検証することだ。製造・販売事業者などによる自主回収・リサイクルの取り組みの課題解決と、大学のカーボンニュートラル達成を目指す。同実証の概要は、以下のとおり。

大学内の3カ所に回収箱を設置し、きれいに洗浄して乾かした洗剤やシャンプーなどの詰め替え容器包装と弁当蓋を回収する。予定回収期間は、2022年10月~2022年12月。回収した詰め替え容器包装は花王株式会社の研究所に運び、分別・洗浄・処理後に、詰め替え容器包装への水平リサイクル技術を検証する。弁当蓋はそれぞれプラスチックの種類が異なるため、株式会社リコーのプラスチック判別機を活用して、回収した弁当蓋のプラスチック組成を検証する。同実証の実行にあたり、福岡大学の有志の学生団体は以下を実施する。

  • 大学内での同実証の広報活動
  • 回収箱の設置
  • 回収された資源の組成分析
  • 各品目の計量と資源循環プラットフォーム「POOL」システムへの登録
  • 回収データに基づいた年間回収量の分析
  • 予測回収量におけるCO2削減効果シナリオの検証


スキーム図

各組織の役割は、下記のとおり。

  • 福岡大学:プロジェクトの企画・運営
  • レコテック株式会社:プロジェクト統括・POOLの提供・事業モデルの構築
  • 凸版印刷株式会社:コミュニケーション設計
  • 双日株式会社:静脈資源流通に向けたネットワーク提供
  • 公益財団法人福岡アジア都市研究所:事業推進・現地調整
  • 花王株式会社:使用済み詰め替え容器包装の再生・評価
  • 三菱ケミカル株式会社:弁当蓋の回収可能性に対する評価
  • 株式会社リコー:プラスチック判別機の提供

レコテック株式会社は同実証を踏まえて資源の回収可能性を分析し、大学での持続可能な資源回収モデルを構築して他大学への展開を目指す。大学でのカーボンニュートラル達成に向けた具体的な行動を推進し、学生と企業が連携して実践的な学びを得る機会の創出を促していきたい考えだ。

これまで、資源循環プラットフォーム「POOL」を活用してさまざまな組織とポストコンシューマー材料(PCR材)の循環に向けて取り組みを進めてきたレコテック株式会社が、多くの学生が集う大学を拠点として、学生をはじめ他組織と共同で実施する同実証の結果と今後の展開が注目される。

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*記事中の画像の出典:レコテック株式会社