サーキュラーエコノミー(CE)や気候変動対策を官民協働で推進する一般社団法人「資源循環推進協議会」(略称:RRC)が8月30日に発足し、このほど活動を開始した。
CEのリーディングカンパニー、⾃治体、有識者、省庁、関連団体で構成し、「高い環境価値と国際競争力を有するサプライチェーンの動脈と静脈が連携した資源循環」「DX技術の活⽤によるグリーンイノベーションの価値創造」「地域循環共生圏の形成による脱炭素・低環境負荷な地域循環モデルの創出」を目標に掲げる。
製造・販売事業者、排出事業者、収集・運搬事業者、再資源化事業者、金融事業者、⾃治体、有識者、省庁、関連団体など「資源循環の各主体者」との協働を通じ、「政策提言」「社会実証・実装」「共有・発信」を行っていく。
カーボンニュートラルの実現に向け、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を低減するCEへの移行が世界的に求められている。日本では2000年に「循環型社会形成推進基本法」が交付され、循環型社会の形成に向けたさまざまな施策が推進されている。
一方で、世界的な資源需要の高まりと地政学リスクに起因する資源の供給に制約が生じたことで「自国や近隣地域の中で資源を安定的に確保し、効率的な利用や再生を実現するCEの重要さが浮き彫りとなっている」という意識が、一般社団法人設立につながったという。
環境政策だけでなく「国際競争力を確保する意味でも資源循環は重要」とRRCは主張する。資源やエネルギーの使用にあたっては、従来の地下資源に対し、使用済みの地下資源や再生産可能な生物由来の有機性資源といった地上資源を主体と捉える。そのうえで、資源循環を進め、化石燃料や鉱物資源からなる地下資源への依存度を下げ、新たな投入を最小化していく「循環を基調とした経済社会システム」の実現を展望する。
発足にあたり、RRCは、資源の多くを輸入に頼る日本にとって持続可能な形で資源を利用するCEへ移行することが、経済成長や産業競争力強化につながり、「環境と成長の好循環」を生む機会となり得ると強調。脱炭素や資源制約リスクの対応など、事業環境変化を乗り越える⼿段としてCEを促進し、「国際競争⼒を有する資源循環市場の創造」を目指す。
運営体制は、環境行政や資源循環関連の規則制定で最前線に立つ実務家、動静脈産業の中核を担う主要企業トップ、新産業やスタートアップの創出支援やサステナビリティ経営に携わる専門家など、CE、サステナビリティ、スタートアップ領域で幅広く活躍するメンバーで理事会を構成。
理事には、大栄環境株式会社代表取締役社⾧の金子文雄氏、EY Japan株式会社マネージング・パートナー/マーケッツ兼チーフ・サステナビリティ・オフィサーの瀧澤徳也氏、株式会社トビムシ代表取締役の竹本吉輝氏、リマテックホールディングス株式会社代表取締役および一般社団法人JAPANゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション代表理事の田中靖訓氏ら10人が名を連ねる。
RRCは「資源小国の⽇本をCEの世界のトップランナーに導く」ことを目指し、CEの確⽴に向けて必要な施策や法整備を提言し、実効性ある資源循環モデルを発信していく計画だ。
CE市場では、サステナブル・ファイナンスを促進する金融機関の関心も高まっている。RRCでは、会員間のネットワーキングや事業創出の機会も提供し、市場拡大に貢献していく方針。
【プレスリリース】TBM、「一般社団法人 資源循環推進協議会」を発足 〜持続可能な循環共生型の社会、脱炭素社会の実現を目指す新団体〜
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*冒頭の画像の出典:一般社団法人資源循環推進協議会