ホテル龍名館東京はこのほど、「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の施行以降のアメニティ削減室数の集計結果を発表した。
同法が2022年4月に施行されてから、ホテル龍名館東京はアメニティ5種の使用意向をホテルHP・インターネット旅行予約サイト(一部除く)で予約した全客室での宿泊前に顧客に確認している。アメニティ5種は、シャワーキャップ・くし・ヘアブラシ・かみそり・歯ブラシ。顧客が必要とするアメニティだけを客室に設置することで、使い捨てプラスチックの使用削減を目指している。集計結果および同ホテルの見解は、次の通り。
2022年9月までの集計の結果、アメニティの辞退数は上昇傾向にあり、最多となった9月の使用辞退延べ室数は6カ月間の平均を23%上回った。現在は、使い捨てプラスチック製品の削減意識が利用者の間で高まっている傾向が見られる。
宿泊予約者がアメニティを辞退した延べ室数は、2022年4月から9月までの間で2867室となった。8月から9月は宿泊者増を加味しても上昇傾向が顕著で、8月は延べ553室、9月は延べ586室でアメニティが削減されており、6カ月間平均の約478室を16~23%上回る。製品別では、シャワーキャップが最も辞退が多く、かみそりとくしが続いた。
インターネットでの事前予約の際にアメニティの需要を顧客に確認する同ホテルのシステムにおいては、宿泊客も自身が真に必要とするものを熟考するようになるだろう。使い捨てアメニティの削減に向けて、宿泊客を巻き込んだこうした取り組みが今後多く展開されていくことが期待される。
【プレスリリース】「プラ新法」施行から半年、東京駅前のホテルでアメニティ削減室数は上昇傾向、9月は6カ月平均より23%増 東京都の全国旅行支援「ただいま東京プラス」適用プランの販売開始を機に調査
【関連記事】循環型ホテルQOアムステルダムに朝食ビュッフェがない理由【QO前編】
【関連記事】世界的ホテルチェーンIHGや投資家が見出す循環型ホテルの可能性【QO後編】
*冒頭の画像の出典:ホテル龍名館東京