四国経済産業局は1月6日、四国の企業や団体による資源循環型社会の実現を目指す取り組みをまとめた「サーキュラーエコノミー事例集」を公開した。本事例集は、廃棄物の発生抑制や資源の効率的・循環的な利用を促進する具体例を紹介。製品設計・製造から販売・利用、回収・リサイクル、地域循環に至るまで、ライフサイクルの段階ごとに整理している。
例えば、愛媛県の今治タオル工業組合は、年間数百トン発生するタオル端材を回収し、倉敷紡績株式会社のアップサイクルシステム「L∞PLUS(ループラス)」を通じて原糸にし、「アップサイクルタオル」や「奈良靴下」などに再利用。
七福タオル株式会社は、製造過程で発生する染色残糸を活用した製品開発を進めており、IKEUCHI ORGANIC株式会社はタオルの長期利用を促進するメンテナンスサービスなどを提供している。
また、株式会社フクシンが展開するブランド「ecuvo,」では、食品ロスや再生材を活用した製品設計が注目されている。さらに、愛媛県繊維染色工業組合による綿屑を活用した色綿紙の開発は、廃棄物を新たな資源として再定義する取り組みの一例だ。
各企業は、資源の用途拡大や有効活用、廃棄物削減、新たな付加価値の創出に取り組んでいる。
四国経済産業局は、経済産業省の地域機関として、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を基盤に、地域における資源循環型モデルの推進に注力。本事例集を通じて、企業や団体が資源循環のヒントを得て具体的な行動に取り組むきっかけとなることを目的としている。
【プレスリリース】「四国における資源循環の取組事例」を作成しました
【参照記事】四国における資源循環の取組事例
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