東京都が主催する「SusHi Tech Tokyo 2024」において、世界43の国・地域のスタートアップ507社から書類審査等を経て決定した20社によるピッチコンテスト「SusHi Tech Challenge 2024」が2024年5月15日から2日間にわたって開催され、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる事業を展開する株式会社ファーメンステーションが優勝を勝ち取った。

SusHi Tech Tokyo 2024は、持続可能な新しい価値を生み出す「Sustainable High City Tech Tokyo =SusHi Tech Tokyo」を推進する取り組みのひとつで、東京発のイノベーションを創出するとともに未来の都市モデルを発信し、50万人の参加を見込む大型の国際イベント。SusHi Tech Tokyo 2024の開催により、東京発スタートアップの増加、都市間連携による課題解決、東京における最先端技術の社会実装などをはじめ、様々な効果の創出を目指している。

「SusHi Tech Challenge 2024」は、SusHi Tech Tokyo 2024のプログラムの一つである「グローバルスタートアッププログラム」において開催された。セミファイナリスト20社の中から選抜されたファイナリスト7社の中にはファーメンステーションの他にも、昆虫の幼虫を活用するバイオテクノロジー企業や生分解性のバイオプラスチック企業など、廃棄物削減・アップサイクルに取り組む海外のサーキュラースタートアップが見受けられた。

写真はマレーシアのバイオテクロジー企業「Entomal Biotech Sdn Bhd」のピッチの様子

SusHi Tech Challenge 2024 ファイナリスト(社名・事業概要)

Entomal Biotech Sdn Bhd マレーシアのバイオテクノロジー企業。昆虫の幼虫の糞尿を有機堆肥として廃棄物削減に取り組む
株式会社クールイノベーション 青果物などの食品や生花を、それぞれ最適な多湿のチルド温度で保管・解凍する冷蔵技術を有し、鮮度を保ったままで長期的な食料保管を可能とする
BUYO Bioplastics Company Limited ベトナムのバイオプラスチック・スタートアップ。バイオ廃棄物や植物由来の材料を生分解性のバイオプラスチックに変換
株式会社ファーメンステーション 独自の発酵アップサイクル技術を用いて、フードロス、規格外農産物、耕作放棄地などの未利用バイオマスを、高付加価値な素材へ変換
CancerFree Biotech 独自の培養技術を活用し、がん患者向けパーソナル抗がん剤スクリーニングとバイオ医薬品パートナー向けアバター培養システムを提供
E-Port Pte. Ltd. 船舶の入港時間を最小限に抑えて海上輸送を効率化するためのオンラインプラットフォームを提供
Degas株式会社 西アフリカ・ガーナでテクノロジーを用いた農業バリューチェーンのDX化ならびに農家の与信形成でファイナンスを提供。

今回の優勝を受けて、ファーメンステーション代表取締役の酒井里奈氏は、「世界中のスタートアップが集結した場で、サーキュラーエコノミーをテーマにし、事業性と社会性の両立を目指す弊社がご評価いただいたことの意味は大変大きいと感じています。さらに大きなビジョンを持って前進する力をいただきました。」

「また今回、同様の課題に向き合うスタートアップや多くの企業、国内外のプレイヤーと会いました。こういった方々と一緒に、サーキュラーエコノミーを常識にしてまいります」と意気込みを示した。

株式会社ファーメンステーション・酒井里奈氏

ファーメンステーションは、未利用バイオマスに発酵アップサイクル技術を掛け合わせて、高付加価値なバイオ素材を生み出す事業を手掛けるサーキュラースタートアップ。現在は研究開発と原料にフォーカスをした新たな事業にも着手しており、今後はグローバル展開を目指して海外市場に向けて脱石油・高機能バイオマス素材のトッププレイヤーを目指していく。

【関連サイト】SusHi Tech Challenge 2024 ピッチコンテスト
【関連サイト】株式会社ファーメンステーション