ファッション業界のサステナビリティ推進を担うGlobal Fashion Agenda(GFA)は5月7日、コペンハーゲンで開催されたGlobal Fashion Summit 2026の会期中に、日本のファッションテック企業Synfluxを、ファッション分野の次世代ソリューションを発掘・支援する「Trailblazer Programme 2026」の受賞企業に選定したと発表した。
プログラムを共同で運営するPDS Venturesは、世界中に600以上の提携工場と250以上のブランドネットワークを持つPDS Group傘下で、ファッション領域のスタートアップ投資を担う部門だ。
サミットは「Building Resilient Futures(レジリエントな未来の構築)」をテーマに開かれ、レジリエンスや実装可能性が主要な論点となった。
Synfluxは、東京を拠点に、機械学習や3Dシミュレーションを活用して衣服設計を最適化するファッションテック企業である。独自のデザインシステム「Algorithmic Couture」を通じて、設計段階から生地ロスや素材使用量の削減を図っている。
GFAによると、Synfluxの仕組みはデザインの整合性を保ちながら、工場でそのまま使えるデータを出力できる点が特徴だ。PDS Group側は、この技術により生地使用量を最大15%削減でき、既存の製造ワークフローにも組み込みやすいと説明している。
Synflux側の発表では、「Algorithmic Couture」により、従来15〜30%程度発生していた布廃棄を大幅に減らし、材料使用量を10〜15%削減できるとしている。すでにザ・ノース・フェイス、イッセイ ミヤケ、doublet、クラシコなど国内外ブランドで導入や商用化が進んでいることも、今回の評価につながったとみられる。

受賞により、SynfluxはPDS Venturesから最大20万ドルの投資機会を得るほか、PDS Groupおよびその子会社Positive Materialsから商業化や事業展開に関する支援も受ける。グローバルな供給網とブランド網をもつPDS Groupのエコシステムに接続できることは、Synfluxにとって、技術をグローバルに展開していくうえで大きな足がかりとなるだろう。
GFAのフェデリカ・マルキオンニCEOは、今年のテーマ「Building Resilient Futures」が必要な実装へのシフトを反映しているとしたうえで、今回の受賞企業について、革新的であるだけでなく、既存システムに組み込みやすく、実際のインパクトを生み出せる点を評価したとしている。
ファッション分野では、再生素材やリサイクル技術だけでなく、設計段階で廃棄を減らすソリューションにも注目が集まっている。今回の受賞は、循環型ファッションの実装に向けて、製造前の設計プロセスを見直す動きが強まっていることを示す事例であると同時に、日本発の技術がグローバル供給網に接続される可能性を示すニュースでもある。
【プレスリリース】Synflux Announced as Trailblazer Programme 2026 Winner at Global Fashion Summit in Copenhagen
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