株式会社寺岡精工は12月15日、スーパーマーケットなどで行うトップシール包装に対応した「寺岡純正紙トレー」をリリースした。従来のオーバーラップ包装を施した発泡トレーと比べ、プラスチック使用量を約85％削減できる見込みだ。
トップシール包装とは、フィルムをトレーの上縁部分に熱溶着（ヒートシール）で貼り付ける包装形態のこと。同社の調べによると、フィルムでトレー底面まで包み込むオーバーラップ包装と比べ、プラスチックフィルムの使用面積が約75％削減され、使用重量は最大61％の削減となる計算だ。
脱プラスチックの動きから、日本では2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行され、小売店でもプラスチックの排出抑制が求められるようになった。しかし、スーパーマーケットなどの小売店内で製造される精肉・惣菜などのパック包装には、オーバーラップ包装を施したプラスチック製のトレーが用いられることが多く、プラスチック使用量を減らすことが難しい状況にあった。
今回発表された寺岡純正紙トレーは、表面のみをフィルムコーティングした一枚の紙を折りたたみ、トレーの形状にしている。プラスチック使用量は、発泡トレーの約2％程度に削減。さらに、発泡トレーへのオーバーラップ包装から、紙トレーへのトップシール包装に変更することで、1パックあたりのプラスチック総使用量を約85%削減できるという。
内面に施された防水処理に加え、トップシール包装時にフィルムを溶着するトレーの縁の段差を特殊な形状（特許出願中）にすることで密封性を高め、内容物の液漏れを防ぐ。
トレー素材には、森林管理に関する認証であるForest Stewardship Council （FSC）認証を取得した紙を使用。手で四隅を開くことで簡単に平らな紙になるため、まな板代わりにも使用でき、廃棄の際もかさばりにくい形状だ。すでに、一部のスーパーマーケットで先行導入されている。
寺岡純正紙トレーは、同社の卓上省資源トップシール機「SWS-5600e」専用紙トレーだ。同機は幅60cm×奥行84cmのコンパクト設計で、卓上トップシール包装機としては市場最小のサイズだという。床面設置面積は幅50cm×奥行40cmで、スペースに限りがある小売店のバックヤードでも設置が可能。
精肉や惣菜パックを買う際の、エコな選択肢となることが期待されている。
【プレスリリース】店内トレー包装のプラスチック使用量を約85%削減するトップシール包装が可能な「寺岡純正紙トレー」が登場 精肉や惣菜パックのお買い物にエコな選択肢を提供
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＊画像の出典：株式会社寺岡精工
