東京都と公益財団法人東京都環境公社は、「サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業」の二次公募の結果、5件を選定した。東京都は「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、サーキュラーエコノミー(CE)への転換・資源循環を促進しており、同事業はその一環だ。地域密着型のCEの実現を目指す事業者などを公募し、取り組みの社会実装化を支援する。
二次公募は2023年8月22日から9月15日まで実施。提案の熟度、有効性・効率性などの観点から審査を行った。その結果、以下の5事業が選ばれた。
- プラスチック鉢に特化した不要園芸品の回収の取組
- 身近なプラスチック家庭ごみ(ペットボトルや弁当容器、梱包材等)のアップサイクル商品開発及び体験ワークショップの開発事業
- 「学ぶ、感じる、やってみる」ことで進む資源循環体験プログラム
- 外食産業における食品廃棄の分別・計量での発生抑制及びリサイクル推進
- サーキュラーエコノミー情報発信WEBコンテンツ(記事+動画)制作事業
1.プラスチック鉢に特化した不要園芸品の回収の取組
都立公園(猿江恩賜公園・亀戸中央公園・大島小松川公園)で、プラスチック鉢に特化した不要園芸品の回収を行う。回収した園芸品はリサイクルイベントを通じて必要な人に提供し、プラスチック鉢の長寿命化を図るとともに、気軽に園芸を始められ、終えられる仕組みづくりを目指す。
- 事業者:株式会社グリーバル
- 連携事業者・団体など:株式会社ランドフローラ、株式会社日比谷花壇、Providence、株式会社日比谷アメニス ほか
2.身近なプラスチック家庭ごみ(ペットボトルや弁当容器、梱包材等)のアップサイクル商品開発及び体験ワークショップの開発事業
廃材を使ったモノづくりを体験できるワークショップで、プラスチック家庭ごみを再利用するアップサイクルキットを開発する。アップサイクル体験を通じて、使い捨てプラスチック等に対する理解と、プラスチックごみの削減意識の醸成に取り組む。
- 事業者:株式会社RINNE
- 連携事業者・団体など:くふう、台東区、合同会社Ucycle、NPOまちづくりたいとう ほか
3.「学ぶ、感じる、やってみる」ことで進む資源循環体験プログラム
都内の社会人を対象とした体験プログラムを実施するとともに、参加者をつなげる情報ポータルを作成し、都内における資源循環の実現に向けて必要な人材・ネットワークの確保を図る。
- 事業者:株式会社ごみの学校
- 連携事業者・団体など:株式会社アイクリエイト
4.外食産業における食品廃棄の分別・計量での発生抑制及びリサイクル推進
大田区でリサイクラーや配合飼料メーカー等と連携し、食品ロス・食品残さの地域資源循環構築に取り組む。店舗で発生した食品残さを分別・計量し、発生原因を調査するほか、「大田区食べきり応援団」による消費者啓発活動を実施する。
- 事業者:ワタミ株式会社
- 連携事業者・団体など:大田区、株式会社ガイアドリーム、株式会社アルフォ、株式会社寺岡精工 ほか
5.サーキュラーエコノミー情報発信WEBコンテンツ(記事+動画)制作事業
CEの知見者やCEビジネスを展開する企業の取組をオンラインで情報発信。プラスチック資源循環や食品ロス問題に取り組む企業の先進事例を共有、SNSを通して発信することで、都民のCEの認知拡大を目指す。
- 事業者:株式会社ハッピーカンパニー
- 連携事業者・団体など:⼀般社団法⼈HAPPY EARTH、株式会社CUSTOM
補助金は、1事業につき補助対象経費の2分の1以内で、上限100万円まで交付される。事業の実施期間は、交付決定日から2024年2月29日まで。
一次公募では4事業が選定されている。本取組を通し、東京都のサーキュラーエコノミーへの移行、資源循環が促進されることが期待される。
【プレスリリース】「サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業」(二次公募)の選定結果について
【参考記事】「サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業」の二次公募の開始及び一次公募の選定結果について
【関連記事】東京都、「サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業」二次公募開始。一次公募の選定結果も発表
【関連記事】東京都、「サーキュラービジネス主流化促進事業」の補助金申請受付を開始
【関連記事】東京都、サーキュラーエコノミー移行に向けたモデル事業者を発表。リユース容器や水平リサイクルなど
【関連記事】東京都、サーキュラーエコノミー移行に向けた4つの新事業を開始。事業者などを支援