東京都と公益財団法人東京都環境公社はこのほど、地域密着型のサーキュラーエコノミー実現を目指す事業者などの公募について、二次公募を開始するとともに、一次公募の選定結果を発表した。

二次公募の概要は、下記である。

補助対象事業は、原則として複数の事業者・団体などが連携して取り組むものであること。および、都内におけるサーキュラーエコノミー実現につながるプラスチックや食品ロスの削減に取り組むべく、地域でのモデル事業・実証事業・関連する調査や情報発信などを実施するものであることだ。

補助金額は、1事業につき補助対象経費の2分の1以内で、上限は100万円。二次公募期間は2023年8月22日~2023年9月15日で、事業実施期間は交付決定日から2024年2月29日まで。

外部委員を含む審査委員会が申請内容を確認し、交付決定する。公募要項・申請方法などの詳細は、TOKYOサーキュラーエコノミーアクションの公式サイトに掲載している。

一次公募は2023年5月31日~6月30日に実施し、次の4件を選定した。事業名および概要は、次のとおり。

1.コロナ禍を経て回収された再利用のできないアクリルパーテーションの活用
今ある資源だけで装飾をするリユース特化型装飾事業の創生

コロナ禍で量産され、現在は用途がなくなったアクリルパーテーションをアクリル装飾としてリユース。都内商業施設の改修工事に伴うウィンドウディスプレイ内、渋谷区・中央区などでのイベント実施時の装飾の一部、都内で実施されるワークショップなどで活用する。

  • 事業者:株式会社LINO
  • 連携事業者・団体など:株式会社イチーナ、やまなし森の紙推進協議会、NPO法人ジョブクリエーター

2.「サーキュラーユニフォーム」廃棄物削減につなげる循環型制服の実証事業

卒業生から寄贈されたウール・ポリエステル混紡の制服を原料の状態に戻し、繊維の水平リサイクルによる資源有効活用や廃棄物削減などを目的とした循環型制服の実現に取り組む。制服を起点とした探究学習を通して循環型社会についての理解を深め、子供たちの行動変容を促す。

  • 事業者:日本毛織株式会社
  • 連携事業者・団体など:駒場学園高等学校、提携企業(制服解体、反毛)

3.「FEELT ORNAMENT」を活用したプラスチック資源循環の見える化事業

シャンプーなどの使用済みPET空容器を活用し、硬質フェルトボード(FEELT)を作成。FEELTを素材とした独自クリスマスオーナメント「FEELT ORNAMENT」を制作し、都内商業施設にてクリスマス装飾を施すとともに、地元住民を対象にワークショップを実施する。

  • 事業者:株式会社グリーンディスプレイ
  • 連携事業者・団体など:ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社、株式会社アボード

4.ドールバナナ エシカルバリューチェーンプログラム

「バナナの量り売り」普及を目指し、店頭での説明や資材などを活用した啓発を都内スーパーマーケット2店舗で実施する。加えて、「コンポスト作り」の参加者を募集し、家庭ごみの資源化に取り組む消費者を増やすとともに、次世代の消費者である子供たちを対象にワークショップを実施する。

  • 事業者:株式会社ドール
  • 連携事業者・団体など:ローカルフードサイクリング株式会社、株式会社寺岡精工、都内スーパーマーケット(2店舗)(予定)、自治体(1市区町村)(予定)

同取り組みは、『未来の東京』戦略を推進する事業の一環だ。東京都は、『未来の東京』戦略において「2050年CO2排出実質ゼロ」を掲げており、目標実現に向けてサーキュラーエコノミーへの転換と資源循環を促進している。

2022年度の地域密着型のサーキュラーエコノミー実現を目指す事業者などの公募には、事業者5組織が採択され、2023年2月末まで事業が実施された。リユースなどによる使い捨てプラスチック削減・食品ロス削減を図る事業モデルや、水平リサイクルなどの社会実装に取り組む事業者が事業を展開した。なお、プラスチックごみや食品ロスの削減に向けて、東京都と東京都環境公社は中小企業などを対象とした「サーキュラービジネス主流化促進事業」の補助金の二次公募を2023年9月中旬から受付ける予定。

【プレスリリース】「サーキュラーエコノミーの実現に向けた社会実装化事業」の二次公募の開始及び一次公募の選定結果について
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