東京都はこのほど、サーキュラーエコノミー移行に向けたモデル事業を公益財団法人東京都環境公社(以下、環境公社)と共同実施する事業者5組織を発表した。

「2050年CO2排出実質ゼロ」実現を目指す東京都は、サーキュラーエコノミーへの移行・資源循環を促進している。東京都と環境公社は2022年6月から約1カ月間、リユースなどによる使い捨てプラスチック削減・食品ロス削減を図る事業モデルや、水平リサイクルなどの社会実装に取り組む事業者の公募を実施した。選定された事業の概要は、以下のとおり。

1.オフィスビル向け弁当・ドリンク販売でのリユース容器使用による資源循環実証事業

  • 事業者:株式会社Circloop
  • 参画事業者・団体など(順不同):株式会社ARISE analytics、有限会社東昇商事(中国酒家 味仙楼)、合同会社LAX(COFFEE STAND .OTTEN)、合同会社CTK(らせら)
  • 事業内容:渋谷区と港区に事業所を構えるオフィスビルの従業員向けに、使い捨て容器の代わりにリユース容器で弁当・飲料を販売し、回収した容器をシェアレストランで洗浄して飲食店などに再配送するリユース容器導入の実証事業を実施する

2.地域密着型協働プラスチック資源循環促進事業

  • 事業者:一般社団法人全国清涼飲料連合会
  • 参画事業者・団体など:都内自治体など
  • 事業内容:都内自治体内の商店街や協力事業会社などにおいて、ペットボトル分別(ペットボトル本体、キャップ、ラベル)用のリサイクルステーションを設置し、実証実験および啓発活動を実施するとともに、都内自治体と連携して情報発信する。都内自治体内の商店街や協力事業会社において、自動販売機横に業界統一新機能リサイクルボックスの設置による異物削減や散乱防止に向けた実証実験と啓発活動を実施する

3.たのしくハブラシリサイクル!

  • 事業者:ライオン株式会社
  • 参画事業者・団体など(順不同):板橋区、株式会社リフレインケア、タカプラリサイクル株式会社
  • 事業内容:生活者が回収拠点で直接投入できるハブラシ回収・前処理機(可搬型ヘッドカット機)を開発し、開発した機器を用いて使用済みハブラシを板橋区主催イベントなどで回収する。リサイクル工程を改善するべく、回収物による再生実験を実施する

4.使用済みストレッチフィルムのアップサイクルブランド・プロジェクト「ReTA BASE」

  • 事業者:株式会社TRIFE DESIGN
  • 参画事業者・団体など(順不同):株式会社パンテック、萩原工業株式会社
  • 事業内容:運送業・製造業・小売業などで利用されている使用済みストレッチフィルムを回収し、回収したストレッチフィルムなどを付加価値の高い製品にアップサイクルする。再生原料の生産から製品化まで国内で完結させる枠組みを構築し、周知を図る

5.ヴィーガンレザーバッグなどのプロモーション実施

  • 事業者:ヘリテッジ株式会社
  • 参画事業者・団体など(順不同):大型商業施設(ポップアップストアの出店)、建築設計事務所など
  • 事業内容:廃棄予定のリンゴや環境負荷の低いサボテン・トウモロコシを原料とした人工皮革(ヴィーガンレザー)などを使用した、持続可能性に配慮した製品の認知度向上と購買意欲を醸成するため、サステナブル・ファッション感度の高い顧客を抱える商業施設に出店するなど、販売を促進する

各事業者と環境公社は、協定締結日から2023年2月28日まで事業を実施する。5事業の展開が注目されるとともに、こうした取り組みへの認知度が高まり、多くの組織がサーキュラーエコノミーへの移行・資源循環に向けて行動していくことが期待される。

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