ベトナム国家大学ホーチミン市校はこのほど、循環経済発展研究所(The Institute for Circular Economy Development=ICED)を設立したと発表した。ICEDは、サーキュラーエコノミーへの転換をベトナム国内と域内の経済成長につなげる中心的な役割を担うとともに、SDGs(持続可能な開発目標)の17の目標達成にも貢献するとしている。

ICEDは同大学に直属する科学研究所で、ベトナム政府、ホーチミン市、容器リサイクルの業界団体PROVietnam、地元企業NutiFood、英系ファンド運用会社ビナキャピタル・ベンチャーズ(VinaCapital Ventures)のビナキャピタルファンド(VinaCapital Foundation=VCF)から財政と運営のサポートを受ける。ICED設立調印式の中で、同大学総長のフイン・タイン・ダット准教授は「サーキュラーエコノミーへの転換によって、天然資源へのニーズが高まり相互依存度の増している世界で起きているさまざまな政治経済リスクや気候変動、プラスチックの廃棄問題といった新たな課題に対応することにつながる」とスピーチした。

ICEDは今後、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に基づいた資源利用の代替策を発展させ、リニア型モデルからの脱却を図る。また、産官学の技術移転や政策コンサルティングも手がける予定だ。ICEDのコンサルタントで世界経済フォーラム前マネージングディレクターのPhilipp Rösler氏は「サーキュラーエコノミーは、持続可能な開発にとって効率的な解決策だ」と述べた。

【参考記事】First Institute of Circular Economy Development established in Vietnam